「回廊」と「廊下」の違いとは?分かりやすく解釈

「回廊」と「廊下」の違い違い

観光パンフレットや建築系の雑誌をめくっていると、回廊や廊下という紛らわしい単語が出てくることがあります。

この記事では、「回廊」「廊下」の違いを分かりやすく説明していきます。

違いを正しく知って、知識の引き出しを増やしていきましょう。

「回廊」とは?

「回廊」とは、ひさしのある廊下のことです。

屋外に面していて、中庭をぐるりと囲むように四角く作られていることが多いです。

日本だと神社やお寺、ヨーロッパだと神殿や美術館で「回廊」が取り入れられています。

「回廊」にまつわるエピソードは沢山ありますが、起源のひとつと言われるのがヨーロッパの修道院の回廊です。

当時の修道女が修行をおこなう場所と、生活をおこなう場所を分けるために回廊をつくったと言われています。

時代が変わった今では、「回廊」はおしゃれな住宅や旅館のデザインとしても用いられています。

風が吹き抜けるような風通しのいいデザインなので、太陽の光を室内に取り込むことができ開放感があります。

空間をより広く見せる効果も期待できます。


「廊下」とは?

「廊下」とは建物の内側にある、奥ゆきのある通路のことです。

部屋と部屋の移動のほか、空間と空間をつなぐときに用いられます。

学校の中にある長く伸びた廊下もあれば、一軒家の中にある小さな廊下もあります。

「廊下」というと西洋の建築を思い浮かべてしまうのですが、佐賀県にある佐賀城には「畳廊下」と呼ばれる珍しい廊下もあります。

木目の代わりに畳が理路整然と並べられていて、ナチュラルで温もりあふれる空間になっています。

最近ではマンション内に、中廊下と呼ばれる新たな廊下も出てきています。

シティホテルの通路のように完全に外からシャットアウトされた造りの廊下で、セキュリティが高いというメリットもあります。


「回廊」と「廊下」の違い

似たような造りのため、間違えやすいのが回廊と廊下です。

「回廊」「廊下」の違いを、分かりやすく解説します。

・寺院や神社は回廊

奈良時代から続くような趣きのあるお寺や寺院の廊下は「回廊」と呼ばれています。

お寺や神社のパンフレットを見ても、廊下といわず回廊と書いてあるはずです。

寺社の回廊は、少し難しい言い方をすると「廻廊」とも書きます。

山門と禅堂そして本堂と鐘楼など、建物と建物をつなぐために回廊がつくられている場合が多いです。

禅宗のお寺によく見られる建築様式です。

・マンションや学校は廊下

マンションや病院、小中学校など不特定多数の人が通路として利用する空間は「廊下」と呼ばれています。

ただ単に通路として利用している場合は「廊下」と置き換えて問題ありません。

まとめ

似ている建築デザインでもある、回廊と廊下の違いについてお伝えしました。

回廊も廊下も空間をつなぐための通路ですが、回廊は神社や仏閣など宗教的な意味合いで使われることが多いです。

対して廊下は学校や病院・マンションなどの不特定多数の人の通路に用いられます。

細かい違いを知っておくと、建物を見ることがさらに楽しくなります。

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