「圧巻」の読み方
「圧巻」は「あっかん」と読みます。
たまに「圧感」と書く人がいますが、これは間違いです。
「圧巻」の意味とは?
「圧巻」の意味や語源などについては以下の通りです。
「圧巻」の意味
「圧巻」とは、「他と比較して群を抜いて優れていること」「ものごとの中で最も優秀な部分」を意味します。
人の感情に訴える部分が大きく、人によって判断基準が変わってくることもあります。
「圧巻」の語源
「圧巻」は、昔の中国の文化に由来した言葉です。
その昔、中国には役人の採用試験である「科挙」が行われていました。
「圧」は「上から押さえつける力」のことで、「巻」は「科挙の答案用紙」のことです。
科挙は非常に難しい試験で合格率が低く、皆必死で勉強して臨みました。
そして答案用紙の中でも最も自信があり、優秀だと思われるものを他の用紙の一番上に置いてアピールしたのです。
このことから「最も出来栄えの良い文章や作品」「他より遥かに優秀な部分」を意味する様になりました。
これが日本に伝わり、素晴らしいものに対して「圧巻」と言われる様になったのです。
「圧巻」の言葉の使い方
「圧巻」は名詞として使われ、「圧巻する」という動詞形では使われません。
迫力のある様子に対して
目の前で繰り広げられる迫力のある演技や試合などのパフォーマンスに対して使われます。
テレビで見たり動画で観るよりも、生で見た時の方が何倍も迫力があるものです。
刺激的かつ感動する光景が繰り広げられた時に、今迄感じたことない程印象深いと思った時に「圧巻のパフォーマンス」という使い方をします。
素晴らしいものに対して
特に激しく動く様なものでなくても人に感動を与えることはあります。
元旦に富士山登山をして眺める初日の出や、大自然の中で見る風景など、ただ見渡すだけで感動を与える光景もあるでしょう。
その様な時に「圧巻の風景」「圧巻の眺め」などと使います。
単独でトップのものに対して
何かを比較した時に、他のものや人よりも遥かに優れていると認められることがあります。
一斉に難しい試験を受けた時に、一人だけほぼ満点で断然トップに踊り出たり、作品を発表した時にその出来がずば抜けていることが誰の目にもわかることがあります。
その様な時に「正に圧巻」という使い方をします。
「圧巻」を使った例文・短文(解釈)
「圧巻」を使ったシチュエーション別の例文と解釈を紹介します。
「圧巻」の例文1
「あのミュージカルの主演俳優は圧巻の演技だった」
ミュージカルを観に行った時に、主演俳優が期待以上の素晴らしい演技をした時の言葉です。
共演者を食ってしまう様な質の高いパフォーマンスをしたので絶賛する意味で「圧巻」と言います。
ただ「素晴らしい」というよりも、表現力や歌唱力に関してどれだけ迫力があるのかが伝わる表現です。
「圧巻」の例文2
「街を一望できる圧巻の眺めだ」
人は地平線或いは水平線を見ると感動すると言われています。
高層ビルや東京タワー、東京スカイツリーなどの展望台に上った時に、天気がいいと遥か遠くまで見渡せることがあります。
普段見慣れた風景であっても、知っている建物が一度に視界に入るのは滅多にありません。
高層ビルや住宅地を過ぎた向こうに富士山や八ヶ岳が見えると感動して思わずこの様に言うでしょう。
「圧巻」の例文3
「他を寄せ付けない圧巻の勝利だった」
こちらはレースや勝負ごとの殆どに応用できます。
人や馬などで圧倒的に強い存在がいた場合、レースをしても最初から勝負になりません。
本来ならば抜きつ抜かれつハラハラするのが醍醐味なのですが、絶対的な存在が予想通り他を大きく突き放して勝利した時に見ていた人は感動してこの様に言うでしょう。