この記事では、「妃」と「后」の違いを分かりやすく説明していきます。
「妃」とは?
「妃」は、訓読みで「きさき」と読みます。
音読みでは「ひ」「き」と読みます。
尊く美しいイメージを持つために、女の子の名前に好まれ使われる漢字でもあります。
常用漢字として一般的なのは「姫」なのですが、敢えて「妃」を用いることは珍しくありません。
意味は、妻を表す言葉です。
ただし、単なる結婚後の女性の立場を示すものではありません。
「妃」は、皇太子や王子などの皇族の妻に限られます。
つまり、王の妻であるならば「妃」とは言いません。
例外的に、王の側室の場合に「妃」と呼ぶことがあります。
「后」とは?
「后」も訓読みで「きさき」と読みます。
音読みでは、「こう」「ご」と読み、日本では皇室関連のニュースなどで「皇后」「皇太后」などの言葉を用いて報じられることがあるために馴染みがあります。
ちなみに、「皇后」は天皇の正妻を表す称号です。
また、「皇太后」は先代の天皇の「皇后」を示す言葉です。
一般市民の立場になると、妻と姑になると考えれば非常に分かりやすくなります。
「妃」と「后」の違い
「妃」と「后」は、ともに男性の妻である状態を表していますが、さらに区別をする際に使い分けします。
「妃」と「后」を比較した場合、「后」のほうが「妃」よりも位が高いのが一般的です。
日本の皇室を例に挙げると、天皇立場を退いた上皇の妻は上皇后、天皇陛下の妻は皇后になります。
天皇になる以前の皇太子だったときに、妻は皇太子妃と呼ばれていました。
このように位に合わせて「妃」と「后」を使い分けています。
同じように「きさき」と読み、姫の意味を持ちますが、命名時に選ばれるのは断然「妃」が人気です。
まとめ
「妃」と「后」は、正確に使い分けなければいけない称号を表す言葉に用いる漢字であるために、皇室関連のニュースを報じるメディアはとても神経を使います。
一般市民ならば、娘、母、妻、姑程度の使い分けになるので混乱を招くことはありません。
しかしながら、皇室の場合は立場の変化や崩御後にも称号が変わります。
イメージだけで覚えるなら、可愛らしいお姫様が「妃」で、年齢を重ねたら「妃」になると覚えておけば間違いありません。