この記事では、「実情」と「実状」の違いを分かりやすく説明していきます。
「実情」とは?
「実情」には2つの意味があります。
一つは、物事の本当のところの様子です。
被災地の様子がテレビで伝えられることがあります。
しかし、テレビで伝えていることは、被災地の様子のほんの一部です。
テレビであまりにも悲惨な様子を伝えてしまうと、ショックを受けてしまう人がいる可能性があります。
そのため、見るに堪えないようなものは放送されません。
実際に被災地に行くと、テレビで伝えていることとは違った様子が見えてきます。
その様子が被災地の本当のところの様子です。
これを「被災地の実情」ということができます。
もう一つの意味は、偽りのない思いや感情です。
「実」には、まこと、まごころという意味があり、「情」には、こころ、気持ち、まごころという意味があります。
人によく見られようと、本当の気持ちとは違ったことを言う人がいます。
これは、本当の気持ちではないので、まごころではありません。
うそも飾りもない心をまごころといい、そういったものを「実情」といいます。
「実情」の使い方
物事の実際の様子という意味で使用されています。
一般的に言われていることや、外から見たことと、実際の様子とが違っている場合に使うことが多いです。
「実状」とは?
物事の本当のところの様子という意味があります。
日本社会は平等で、みんな同じような水準の生活ができています、と伝えられることが少なくありません。
開発途上国のように、住む場所がなく食べるものを得るのも難しく、生活していくのがやっと、といった日本人はいないと考えられています。
しかし、実際には生活に困っている人がいます。
食べるものがないという人もいるようです。
こういったことを知らない人はいることでしょう。
しかし、これが日本の本当のところなのです。
「日本の実状」ということができます。
「実状」の使い方
本当の様子という意味で使用をします。
一般的に言われていることや、外から見てわかることと、実際の状況が違う場合に使われることが多いです。
「実情」と「実状」の違い
物事の本当の様子という意味が同じです。
どちらの言葉も「じつじょう」と読みます。
「情」「状」と漢字が違いますが、どちらでも使用できます。
「実情」には、まごころという意味もあります。
「実情」の例文
・『これが日本の対策の実情だ』
・『悩みながらやっているのが実情です』
・『被災地の実情を調べる』
・『被害にあった人の実情を描いた漫画』
「実状」の例文
・『実状を知って何も言えなくなった』
・『危険にさらされているのが実状です』
・『交通ルールを守りましょうといっても、信号無視する人が多いのが実状です』
・『保育園に入れたくても難しいのが実状だ』
まとめ
どちらの言葉も「じつじょう」と読みが同じで、物事の実際の事情という意味が同じです。