この記事では、「家族水入らず」の意味を分かりやすく説明していきます。
「家族水入らず」とは?意味
「家族水入らず」とは「家族以外の他の人を交えずに集まる様子」を意味する言葉です。
言葉の意味は、何となく理解されている方が多いでしょうが、なぜ「水入らず」が「限定された内輪の人だけで集まること」を意味する言葉なのかは意外と知られていません。
次項でそうした点について説明したいと思います。
「家族水入らず」の概要
この「家族水入らず」では「水」は「家族」だけで親しく集うことに対して、邪魔者だと言う意味で使われています。
一般的に、「水」は清らかなものの代名詞のように使われることが多いのですが、ここでは邪魔者扱いなのは、どうしてでしょうか? この理由には諸説あるようですが、一説には「家族」を「油」に例え、他人を「水」に例え、この「水」と「油」は、どれほど混ぜようと頑張っても、混ざらないことが、その理由だとされています。
またその他に、酒席での作法が由来だとする説もあります。
日本ではかつて盃を交わす時に、最初に盃を使った人が、相手に盃を渡す前に、盃を水で洗う「杯洗」と言う作法・習慣がありました。
これは、自分が口を付けたのをそのまま相手に渡すのは、失礼だと言う考え方によるものです。
しかし、相手が家族のように親密な関係の場合には、水で洗う必要がなく、むしろそのまま盃を渡して飲む方が、深い親愛の情の表現になると考えられ、水で洗わなかったのです。
そこから「水いらず」→「水入らず」が使われるようになったという説です。
いずれにしても、「水入らず」は「家族」や「夫婦」や「親子」や「兄弟」など、ごく親しい間柄の人達に対して使われる言葉として、定着したのです。
「家族水入らず」の言葉の使い方や使われ方
「家族水入らず」の言葉は、以下の例の様に使われます。
・『このお正月は、どこにも出かけず、自宅で家族水入らずで、美味しいものでも食べて、ゆっくり過ごす予定です。』
・『大勢の仲間とワイワイ旅するのも楽しいですが、家族水入らずでの旅も、また非常に楽しいものです。』
< ・『独身の部下に、お盆休みには実家に帰って、ご両親に久しぶりに元気な顔を見せて差し上げ、家族水入らずで楽しむことを勧めました。』
・『天涯孤独の私には、家族水入らずの言葉は無縁ですし、その楽しさも分かりません。ただ羨ましく感じられるだけです。』
「家族水入らず」の類語や言い換え
「家族水入らず」は、「一家団欒」や「家族団欒」や「家族で和気あいあい」などと言い換えることができます。
まとめ
「家族水入らず」とは「家族以外の他の人を交えずに集まる様子」を意味する言葉です。
「水入らず」の言葉の由来には、「水」と「油」説と、「酒席での作法の杯洗」説があります。
この「水入らず」の言葉は、「家族」以外に、「夫婦」や「親子」や「兄弟」等に対して使われます。