「屈辱」と「侮辱」の違いをご存知ですか?
この記事では、「屈辱」と「侮辱」の違いを分かりやすく説明していきます。
「屈辱」とは?
「屈辱」は「くつじょく」と読みます。
「屈」という漢字には、「へこむ」「くじける」「へりくだる」という意味があります。
「辱」は「はずかしめる」「かたじけない」といった意味を持っています。
この2つの漢字から構成される「屈辱」は「抑えつけられて恥を受けること」という意味があります。
「屈辱」は自分が恥を受けることです。
「屈辱をあたえる」という表現を使わないわけではありませんが、「屈辱を受ける」「屈辱に耐える」といった使い方の方が一般的です。
類語に「恥辱」という言葉がありますが、「屈辱」の方がいくらか意味が強くなります。
また「屈辱」には「恥辱」の他に、「汚辱」や後述する「侮辱」といった類語があります。
「侮辱」とは?
「侮辱」は「ぶじょく」と読みます。
「侮」の字には、「相手を軽く扱う」といった意味や、「あなどる」「あなどり」という意味があります。
そして「辱」は前述したように「はずかしめる」「かたじけない」という意味を持っています。
この2つの漢字から構成される「侮辱」は、「見下して恥をかかせること」「はずかしめ」「見下して、名誉などを傷つけること」という意味を持っています。
「侮辱を受ける」「侮辱される」という表現を使うことはありますが、「侮辱」は他動詞なで「侮辱する」と使うのが一般的です。
「侮辱」の類語には「屈辱」や「汚辱」の他に「蔑視」や「軽蔑」といった言葉があります。
「屈辱」と「侮辱」の違い
用語の意味はお分かりいただけたでしょうか?「屈辱」とは「抑えつけられて恥を受けること」です。
「屈辱を受けた」という言葉が表すように、相手に抑えつけられて自分が恥ずかしい思いをすることです。
つまり自分が「される」側になります。
そして「侮辱」は「見下して恥をかかせること」、つまり相手に対して恥ずかしい思いをさせることです。
侮辱の場合は「する」側にも「される側」にもなります。
例えば「侮辱される」や「侮辱を受ける」という使い方もします。
ですが「侮辱する」という使いかたが一般的です。
「屈辱」の例文
・『彼はプライドが高かったので、その屈辱を無視する気にはなれなかった』
・『こんな屈辱味わうとは 思いませんでした』
・『彼女は彼の率直な言葉に屈辱をおぼえた』
・『絶望と屈辱感に蝕まれるようになりました』
「侮辱」の例文
・『私はそのような侮辱には耐えられない』
・『彼が絶えず侮辱したので私の怒りをかった』
・『彼は侮辱されたがどうにか怒りをおさえた』
・『彼の沈黙は私を侮辱しているような気がした』
まとめ
以上が「屈辱」と「侮辱」の違いになります。
「屈辱」は相手から、自分が恥ずかしい思いを受けること。
そして「侮辱」は自分が相手に対して、恥ずかしい思いをさせることだと覚えておきましょう。