この記事では、「岩礁」と「暗礁」の違いを分かりやすく説明していきます。
「岩礁」とは?
「岩礁」(がんしょう)とは、主に、海にある岩で、水中に隠れたり、水面の上に少しだけ見られる岩のことを指します。
礁(しょう)のひとつで、礁とは、浅い海底の高くなっているところをいいます。
船の航行に危険となる浅瀬で、水深20mより浅いものをいいます。
磯海岸や火山島の周辺でよく見られます。
「岩礁」の使い方
海岸について表すときに使用します。
砂浜に対して、岩石質が削られて形成されたり、岩盤が隆起したものを「岩礁」といいます。
一般的に「岩礁」はいい漁場になっているので、磯遊びや釣りなどをする人がよく使っている言葉です。
「暗礁」とは?
「あんしょう」と読み、常に水面の下にある「岩礁」や「サンゴ礁」のことをいいます。
海面下に隠れて見えない岩で、船舶にとっては、座礁のおそれがあるので、とても危険な存在です。
船が暗礁に乗り上げ、動けなくなることから、慣用句として「暗礁に乗り上げる」というと、障害が出てきて物事がうまくいかなくなることを表します。
「暗礁」は、隠れていて見えないことから、「暗礁に乗り上げる」という場合には、予期せぬ障害にあうことを表す場合が多くなります。
「暗礁」の使い方
海の中にある岩を表すときに使用します。
航海者が使う海図には、水深や暗礁などの障害物の位置が書いてあり、座礁を防ぐために利用されています。
また、慣用句の「暗礁に乗り上げる」は、物事が予期せぬ障害によってうまくいかなくなる時によく使われます。
「岩礁」と「暗礁」の違い
「岩礁」は、礁のひとつで、サンゴ礁に対し、岩で出来ているものを指します。
「暗礁」はその「礁」のなかで、いつも水面下にあるものをいいます。
一般的には、海図では「暗岩」(あんがん)と呼ばれる、最低水面より下にある岩で、干潮のときにも水の下にある岩のことです。
「暗礁」は、「サンゴ礁」や「岩礁」の一部だといえます。
急に現れた困難のことを表す比喩表現で「暗礁」を使うことがありますが、「岩礁」は、使われません。
「岩礁」の例文
・『岩礁の上を、持ってきた懐中電灯で照らしてみる』
・『岩礁地帯には、危険な生物がいることがあるので、海で遊ぶときには注意が必要です』
・『ワカメや海藻が岩礁に生えているのが見えました』
・『岩礁帯で、魚を釣っていたら、釣り糸がすぐに切れてしまった』
「暗礁」の例文
・『たくみに暗礁を避けて、船が進んでいく』
・『長期間準備してきた計画が暗礁に乗り上げてしまった』
・『観測船の船首が完全に暗礁に乗り上げてしまう事故が発生しました』
・『問題解決に向けた話し合いは、たった一言によって一瞬で暗礁に乗り上げてしまいました』
まとめ
「暗礁」は、「岩礁」のなかで、干潮時でも水面に出てこない岩のことでした。
違いを知って、役立ててください。