日本人には大人しい人も多いですが、良くも悪くも行動的な人もいます。
悪い意味で行動的な人を指す言葉は謙遜にも使うことがありますが、言葉をちゃんと選ばないと謙遜のつもりで失礼な間違いをすることもあるでしょう。
この記事では、「差し出がましい」と「厚かましい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「差し出がましい」とは?
「差し出がましい」とは、自分の求められている役割以上にでしゃばっているような、という意味です。
特に立場が下の人に対して使われることが多く、上司に進言する際の前置きや、本来手伝う義理のない他人へ手伝いを申し出る時などに使われます。
「差し出がましい」行動は分をわきまえない行動なので、相手から迷惑に思われることも多いでしょう。
ですが「差し出がましい」事をする理由は、ただ目立ちたいから、手柄を立てたいからではなく、基本的に相手を思ってのお節介です。
そのため「差し出がましい」は、余計なお世話だと指摘、謙遜する言葉としても使われます。
「厚かましい」とは?
「厚かましい」とは、慎みや遠慮がなく、恥知らずな態度や行動を指す言葉です。
基本的な意味は上記の通り図々しいという意味ですが、意味合いは相手に対して使う場合と自分のすることに対して使う場合で違います。
相手に使う場合は言葉の通り図々しいことの指摘として使われますが、「厚かましい」行動は、相手のためではなく自分が楽な思いや得をするためのことです。
そのため他人に対して使う時には、自分勝手だというニュアンスも含まれます。
自分に使う場合は相手に手間や迷惑を掛ける事を理解していることの敬語表現です。
後者の自分の行動やお願いに対して使われることが多く、図々しい事をして申し訳ないという意味で使われます。
「差し出がましい」と「厚かましい」の違い
「差し出がましい」と「厚かましい」はどちらも立場上求められること以外の行動に関する言葉ですが、だれが行動を起こすかが違います。
「差し出がましい」の場合は実際に進言や手伝いなどをするのは「差し出がましい」と表現された本人です。
それに対して「厚かましい」は、自分ではなく相手に行動してもらおうとする人やお願い、態度なので、実際に行動するのは「厚かましい」本人ではありません。
また自分の行動に対して謙遜する時の言葉としては、それが誰のための発言なのかによっても、どちらを使うべきかが変わります。
「差し出がましい」は相手のためを思った善意からの申し出に使う言葉であり、「厚かましい」は自分の都合を優先したお願いを指す言葉です。
まとめ
慎みがなく図々しい態度が「厚かましい」と言われますが、「差し出がましい」にあたるしゃばりな行動も慎みがない態度として扱われるので、そこから両者が混同されます。
どちらも謙遜として使いますが、相手のためを思ってのことなら「差し出がましい」、自分の都合で申し訳ないなら「厚かましい」と使い分けましょう。