何かを比較するときに使われる表現として「差異がない」という言葉があります。
新聞などでも見かけることの多い表現ですが具体的にはどのような意味で使われている言葉なのでしょうか。
今回は、「差異がない」の意味と類似表現を紹介します。
「差異がない」とは?意味
「差異がない」とは「同じくらいで異なっているところがない」という意味の言葉です。
「差異がない」の概要
「差異がない」の「差異」とは「2つのものを比べた時の違い」を意味する言葉です。
「比べた時の違い」が「無い」状態を指す言葉が「差異がない」であり「比較しても違いがなく同程度である」ことを意味しています。
「差異がない」には「見た目や能力に違いがない」という意味と「どちらを選んでも同じような結果が出る」と意味のふたつの使われ方があります。
前者は「比較している点において両者に差がなく同じである」という意味になりふたつのものが同じようにそっくりであることを表しています。
それに対して後者は「見た目や能力は異なっているがどちらを選んでも期待される結果は同じようなものであり選択による違いはない」という「結果における違いのなさ」を意味しています。
同じ言葉を使っていても文脈や場面によって「差異」の指すものが変わるので注意してください。
どのようなことを持って「差異」とするかはその時により基準が変わります。
高度な工作精度が求められる精密機械なら0. 001ミリの違いも立派な「差異」ですが、高精度が求められない子どもの工作ならその程度の違いは「差異」には当たりません。
要求される水準や判断するものの能力、選ぶ理由などによって何を「差異」とするのかは変わり、どの程度で「差異がない」と判断するのかも違いが出ます。
「差異がない」の言葉の使い方や使われ方
・修学旅行先としての充実度を比べると北海道都沖縄に大きな差異はない。
・セダンとハッチバック、レンタカーで一日借りるだけならどっちを選んでも差異はない。
・ドラフト1位と2位なら能力的にそれほどの差異はない。
・最高級モデルとエントリーモデルに価格ほどの差異はない。
「差異がない」の類語や言いかえ
・どんぐりの背くらべ
「低いレベルで拮抗していてほとんど差がない」という意味の言葉です。
遠目から見てほとんど同じようにみえるニュアンスが強く、多少のばらつきはあってもおおまかに見ればほぼ同じような状態の人や物が集まっている時に使われます。
・にたりよったり
「多少の違いはあっても同程度である」という意味の言葉です。
もともとの由来は「似たもの同士が集まっている」ことからきた言葉で「能力的に似ているためほとんど差がない」という意味で使われています。
「差異がない」よりも多少のバラ付きはあるものの「目立った違いがなく決め手に欠ける」というニュアンスが強調されています。
・毛が生えた程度
「多少はマシなのだろうが結局は違いがない」という意味の言葉です。
「差異がない」がほぼ同じであるのに対しこちらはほんの僅かな優劣がある時に使われます。
「優劣はあるけれどそれが結果に大きく影響しない」という点が強調されています。
まとめ
「差異がない」にはさまざまな類似表現があります。
文脈やシチュエーションによってふさわしい言葉のチョイスは変わるので、意味をしっかり理解した上で正しく使いましょう。