隠語?スラング?警察用語で用いられる「帳場が立つ」の意味や由来とはどういうものなのでしょうか? この記事では、「帳場」の意味も併せて、「帳場が立つ」について分かりやすく説明していきます。
「帳場(ちょうば)が立つ」の意味とは?
「帳場が立つ」とは、警察用語であり「捜査本部が開設される」という意味を指します。
警察用語としての「帳場(ちょうば)」の意味とは?
「帳場」とは、警察用語で「捜査本部」を意味します。
「帳場(ちょうば)」の本来の意味とは?
「帳場(ちょうば)」は、「町場」や「丁場」とも書き、複数の意味があります。
・旅館や商店など、客が支払いを行い、主人や番頭が帳付けや勘定をする場所。
受付など、ホテルで言うところのフロントやカウンターに相当します。
・宿場と宿場との距離、またはある区間の距離という意味。
また、長い距離を行くことに時間がかかることから転じて、一定の時間を指して使われることもあり、長く時間がかかることを「長丁場」と言います。
・運送や工事などにおける持ち場や受け持ち区域という意味。
・馬子(=馬をひく職業の人、うまかた)、人力車夫、駕籠(かご)かき(=駕籠をかつぐ職業の人、かごや、おろせ)などのたまり場という意味。
「帳場が立つ」の由来
建築用語にも「丁場」という言葉があり、「指定された1つの場所で仕事をする」という意味を指します。
また、江戸時代に、サイコロ博打などの賭場が開催される場所のことを「帳場が立つ」と言っていたという話もあります。
しかし、何が「帳場が立つ」の由来となったかについて、定かな説はありません。
警察用語について
警察用語は、傍受可能だった警察の無線で、情報や秘密が外部に漏れるのを防ぐための隠語として生まれました。
また、警察の「組織」としての「集団意識」や「仲間意識」を高める目的でも使用されているようです。
「帳場」以外の警察用語の例として、 「被害者」→「マルガイ」、もしくは「ガイシャ」「被疑者」→「マルヒ」「目撃者」→「マルモク」 これらも警察無線の用語が由来です。
ちなみに、「帳場」に付随して「家賃を払う」という警察用語もあります。
警察用語としての「家賃を払う」とは、警察署内に捜査本部(=帳場)を立てた場合に、その事件を解決することを意味します。
原則として、捜査本部(=帳場)の費用はすべて所轄署が負担するのが決まりで本部からは出ません。
従って、事件を早期に解決(=家賃を払う)しないと、本部側は所轄署側に対して肩身が狭くなるそうです。
まとめ
「帳場が立つ」とは、警察用語であり「捜査本部が開設される」という意味を指します。
「帳場」とは、同じく警察用語であり「捜査本部」のことを指しますが、いずれも由来については定かではありません。
警察用語は、傍受可能だった警察の無線で、情報や秘密が外部に漏れるのを防ぐための隠語として生まれました。