物事の後始末を指す言葉として「帳尻を合わせる」という表現があります。
日常的にも普通に使われている言葉ですが、具体的にはどのような意味があるのでしょうか。
今回は、「帳尻を合わせる」の意味と似たような意味を持つ表現について解説します。
「帳尻を合わせる」とは?意味
「帳尻を合わせる」とは、「最終的に納得がいく形になるようにいじる」という意味の言葉です。
「帳尻を合わせる」の概要
「帳尻を合わせる」の「帳尻」とは「帳簿の最後」を指しています。
収入と支出を記入する帳簿は途中で正しくない数字が記入されると最終的にずれが生じてしまいます。
そのようなズレが生じてしまった正しくない帳簿をいじったり修正したりして何とか整合性を持たせるようにすることを指して「帳尻を合わせる」と表現したのがこの言葉の由来です。
もともとは「計算が成立するように数字をいじる」という意味でしたが、そこから転じて「物事に整合性をもたせる」という意味で使われるようになりました。
現在ではもともとの意味である帳簿上のお金の管理だけではなく数字やデータ、あるいは成績などにおいて「最終的に何とか見られる形にする」という意味で使われています。
「帳尻を合わせる」ことにより、最終的な結果はなんとか合格点を上回る程度におさまります。
ギリギリであっても許せる範囲、納得できるレベルに終わるのが「帳尻を合わせる」です。
努力や工夫はしたけれど不合格だったり要求水準を下回ったりしている場合は「帳尻が合っていない」ということになります。
「最終的な結果のみを表面上取り繕うことでやっと形にする」というあまりよくないニュアンスが込められた言葉なので褒め言葉として使うのは不適切です。
「結果に至るまでの課程が十分ではなくそのための努力が不足しているが最終的な結果だけはなんとかなった」という場合に使われる表現です。
「帳尻を合わせる」の言葉の使い方や使われ方
・連中前半に散々したので後半はバイトに精を出して帳尻を合わせる。
・先延ばしにしていた収支報告だが領収書とにらめっこして帳尻を合わせることに成功した。
・帳尻を合わせるにしてももう少しやり方があるだろう。
・連敗の後の連勝で帳尻を合わせた。
「帳尻を合わせる」の類語や言いかえ
・つじつまを合わせる
「話が論理的につながるようにもっともらしく工夫すること」という意味の言葉です。
本来であれば矛盾する内容の話であるの順番を変えたり補足を入れたりなど一部虚偽を盛り込みながら筋道が通るように手直しすることを指します。
「帳尻を合わせる」が数字やデータをいじって最終的に整合性をもたせているのに対し、こちらは論理や理屈をいじるという違いはありますがおおよその意味は非常に親しい表現です。
・やりくりする
「の入手や使い方を工夫して何とか都合をつけること」という意味の言葉です。
数字をやりとりして最終的に整合性をもたせるという点が「帳尻を合わせる」ととても良く似ています。
「帳尻を合わせる」が結果を強調しているのに対し、こちらは結果に至る途中の過程の苦労を強調しています。
まとめ
「帳尻を合わせる」は仕事やスポーツなどいろいろな場面で使われる表現です。
微妙なニュアンスを含む言葉なので相手に与える印象も含めて意味を正しく知っておきましょう。