この記事では、慣用句の「幸甚に存じます」の意味を分かりやすく説明していきます。
「幸甚に存じます」とは?意味
「幸甚に存じます」の読みは、「こうじんにぞんじます」で、「とても幸せに思います」を意味する敬語表現の慣用句です。
「幸甚に存じます」の概要
「幸甚に存じます」の言葉を分解して、少し詳しく意味を説明します。
まず「幸甚」の言葉を説明します。
「幸甚」を構成する「幸」は、一般的に使われている「幸せ」すなわち「運が良いことや、思いがけないさいわい」を意味します。
一方の「甚」は、訓読みでは「甚だしい」で、「たいへん」や「非常に」の意味を持つ漢字です。
従って、「幸甚」とは「非常に幸せ」の意味となるのです。
また「存じます」は「思う」の丁寧語にあたる「存ずる」に丁寧語の「ます」が付いた言葉で、「思います」の敬語表現です。
従って、「幸甚に存じます」は前項で記載した「とても幸せに思います」の敬語表現となるのです。
ちなみに、この慣用句は、「幸甚」が、非常に硬い感じのする言葉であるため、ビジネスや日常においてもあらたまった場面で使われる言葉と言えます。
どのような場面で使われるかも合わせて、次項でその例文を示したいと覆います。
「幸甚に存じます」の言葉の使い方や使われ方
「幸甚に存じます」の言葉は、以下の様な場面で、例文のように使われます。
相手の心遣いに感謝の意を示す場合
・『先日はご多忙中にもかかわりませず、お越しいただき、幸甚に存じます』
・『本日は素晴らしい会合にお招きいただき、誠に幸甚に存じます』
相手に依頼やお願いをする場合
・『次回の勉強会の講師として、講演していただければ、幸甚に存じます』
・『チームの優勝を祝い、ささやかな祝勝会を催します。
ご来臨くだされば幸甚に存じます』
相手に贈り物を送り、文章を添える場合
・『お祝いのしるしとして、心ばかりの品を別送しました。
ご笑納いただければ、幸甚に存じます』
相手に謝罪したり、許しを請う場合
・『お許しいただければ幸甚に存じます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます』
・『弊社のミスにより、多大なご迷惑をおかけし、本当に申し訳ございませんでした。
お許しいただければ幸甚に存じます』
「幸甚に存じます」の類語や言い換え
「幸甚に存じます」の類語や言い換えとしては、「幸いに存じます」や「光栄に存じます」や「ありがたく存じます」を挙げる事が出来ます。
「思います」の丁寧語の「存じます」の言い換えとしては「思っております」が近く、少し文章が長くなりますが、上記の「存じます」を「思っております」に換える事も出来ます。
まとめ
「幸甚に存じます」の読みは、「こうじんにぞんじます」で、「とても幸せに思います」を意味する敬語表現の慣用句です。
「幸甚」には、敬語的な要素はありません。
しかし「存じます」が、「思う」の丁寧語にあたる「存ずる」に丁寧語の「ます」が付いた言葉で、「思います」の敬語であるため、慣用句全体が敬語表現となるのです。