この記事では、「廃止」と「中止」の違いを分かりやすく説明していきます。
「廃止」とは?
「廃止」【はいし】とは、取りおこなわれている事柄を永久にやめさせることです。
主に、実行されている制度や法律をやめることを指します。
「廃止」に使われている漢字の意味を見てみると、「廃」はすたれること、しなくなることを意味し、「止」は動きをやめることを表しています。
これらの漢字を組み合わせた「廃止」は「今実行されている事柄が必要ではなくなるために取りやめる」という意味を表しています。
「廃止」は、個人的な用件をやめるときには用いません。
専ら法律や制度、公的な事業などが取りやめになる場合に使われるという特徴があります。
一時的に中断するのではなく永久にやめさせる状況に対し「廃止」が使われます。
類語は「撤廃」【てっぱい】、「廃絶」【はいぜつ】などです。
「撤廃」は施行されている法律を取りやめにすること、「廃絶」はすたれて物事が消滅してしまうことです。
ニュアンスは少し異なりますが、不用になってなくなるところは互いに共通しています。
「廃止」の例文
・『その法規は3年前に廃止されているものだ』
・『地元で長年愛されてきた鉄道が廃止になった』
「中止」とは?
「中止」【ちゅうし】とは、実行中の作業などを一次的にやめること、または実行する予定を取りやめにすることです。
「中止」に使われている漢字を見てみると、「中」は、ものの内側や間を意味するほか、物事をおこなっている間のある段階も表しています。
「止」は動くのをやめるという意味を持ちます。
これらの漢字を組み合わせた「中止」は「物事をおこなっている間にその行為をやめる」という意味の言葉になっています。
「中止」は「現在おこなっている活動や作業をいったん止める」というニュアンスを含む言葉です。
ただし、再開する可能性と二度と再開しない可能性の両方を含んでいます。
一時的な「中止」は「中断」や「休止」に言い換えることが可能です。
活動が二度と再開しない場合は「打ち切り」と呼ぶこともできます。
また、予定されている計画などの実行が取りやめになることも「中止」と呼びます。
いわゆる「キャンセル」「取り消し」がこれにあたります。
「中止」の例文
・『雷が鳴り始めたので、作業を中止して建物の中に入ってください』
・『明日の遠足は中止になりました』
「廃止」と「中止」の違い
「廃止」と「中止」の違いを、分かりやすく解説します。
「廃止」は、とりおこなわれている事柄が永久に取りやめになることです。
主に公的な制度や事業に対して用いられます。
「中止」は、実行中の作業や活動をやめること、または予定を取りやめにすることです。
「中止」は、一時的にやめること、永久にやめることの両方を指して使えます。
対して「廃止」は永久に取りやめることを指しており、また、状況の限られているところが「中止」と異なっています。
まとめ
「廃止」と「中止」はどちらも止めることを表す言葉ですが、意味や使われる状況は異なっています。
どちらを使うかによってニュアンスが変わってくるので、意味にそって使い分けることが大切です。