「元来」と「本来」の違いとは?「元々」との使い分けも分かりやすく解説

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「元来」とは?

「元来」の意味は以下の通りです。

「最初からその様な状態であること」の意味

そのものが存在し始めた時や、自分が認識した時からその様な状態や性質を持っていたことを言います。

何か品物を購入した時からその所有権や置き場所が決まっていた時や、その人が昔から決まった性格や嗜好を持っていたことを意味します。

「人に対して疑問を投げかける時の言い出しの言葉」の意味

思想や哲学的な理論の場で、周囲に対して疑問を投げかけたり、話題を提議するときなどの最初の言葉として使われます。

抽象的ですぐに論理的な説明が難しいことに対して使われます。

「本来」とは?

「本来」の意味は以下の通りです。

「元々そうであること」の意味

こちらは「元来」と非常に良く似た意味ですが、時制が「今」になります。

「元々そうであり、今もそうである」という意味で使われます。

「それが当たり前であること」

一般常識や道理から考えて、そうすることやそうであることが当然なことを言います。

その人が「かくあるべき」と思っていた通りのことが起きなかった為に矛盾点を指摘する時の言葉です。

自主的に何かしなければいけないことや、普通ならばそう考えるだろうという時に使われます。

「元来」と「本来」の違い

「元来」「本来」の違いは「昔からのことか、今のことか」という点です。

「元来」「昔から今にかけてどんな状態や性質だったか」を表します。

「本来」「いつからということではなく、そのものが本質的にどうなのか」ということを表しているのです。

元々そのものごとがどの様な状態や性質であったかが重要になる時には「元来」を使い、いつからどの様なということはともかくとして当然そうなるべきという時には「本来」を使います。

「元来」と「本来」使い分けの具体例

「元来」「本来」の使分けの具体例は以下の通りです。

「元来日本人は手先が器用である」

日本人は昔から手先が器用で、工芸品や建築技術などは世界的にも高い評価を得ています。

それは近代に始まったことではなく、日本としての文化が芽生えた頃からそうであったということを意味しています。

「本来あってはならないことが起きてしまった」

常識的に考えて振る舞っていれば、当然起きるはずのないトラブルが起きてしまいました。

余程管理体制がたるんでいるか、当事者が非常識な人であったかがうかがえます。

「本来は自分で解決するべきものだ」

何かのトラブルが起きてしまい、周囲に相談したり力になって欲しいと頼んだりしています。

それがビジネスで会社の運営にかかわる様なものならばとにかく、個人的な内容でしかも他力本願である場合、周囲の人から見て「自分で解決して当然のことだろう」と思うでしょう。

「元来」と「本来」の英語の違いはある?

「元来」「本来」の英語訳は微妙に違います。

“Normally this would be not accepted”

「本来ならばこれは受け入れられないところだ」となります。

“normally”「通常ならば」という意味になります。

“Originall”

“Originally, there was a supermarket”「元来そこにはスーパーマーケットがあった」になります。

“originally”「根源」という意味があり、昔はそうだった時に使われます。

「元来」と「元々」使い分け

現在では「元来」は堅苦しい表現であり、日常会話ではあまり使われません。

「元々」という言葉に言い換えられることが多くなります。

ビジネスで何かの専門的な説明をする時には「元来」と言った方がオリジナル性は強くなります。

日常会話では「元々」と使い分けると良いでしょう。

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