「廃絶」と「根絶」、このふたつの言葉は似ているように見える言葉ですが、ニュースなどでよく目にする言葉です。
このふたつの言葉はどのような点が違っているのでしょうか。
この記事では「廃絶」と「根絶」の意味の違いを、わかりやすく説明していきたいと思います。
「廃絶」の意味とは?
「廃絶」とは、廃れて絶えること、とくに家系などがなくなることをいいます。
また、廃止してなくなることをあらわしています。
古い家系がなんらかの原因によっていつのまにか廃れて絶えることをとくに「廃絶」といいます。
たとえば跡継ぎが生まれなかったり、勢力が落ちたりしたことにより、「廃絶」してしまいます。
また、「廃止してなくなること」についてはとくに何かの制度などについて言うときに使われています。
この場合はその制度やきまりごとなどを、廃止したうえでなくすことをいいます。
「廃止する」という作業が必要になるため、制度やきまりごとなどの形で世の中に存在しているものということが前提となっており、このようなものにしか使えない言葉であるともいえます。
「根絶」の意味とは?
「根絶」とは、根本や根本から完全になくすことをいいます。
「根絶やしにする」と同じ意味です。
その対象は、悪人の集団だったり、人類に危害を加えるウイルスだったり、そういったものを根本から完全になくすときに使う言葉です。
特定のその対象を根本から消し去る、滅ぼす、などといったシーンで使う言葉であり、すこし強いニュアンスで使う言葉といえます。
とくに自分自身(またはこの言葉を使う者)に対して害を及ぼすなにかを対象として使う言葉であり、分かりやすく言うと「自分から見た悪者」に対して使うということです。
「廃絶」と「根絶」の違いについて
「廃絶」と「根絶」は、字も似ていて意味も似ている言葉ですが、大きく違っている部分があります。
まず「廃絶」は、主に家系などが廃れて絶えてしまうことと、制度などが廃止されてなくなることの2つの意味を持っています。
対する「根絶」は、「根絶やしにする」ということであり、自分自身に危害を加える相手を根本から滅ぼし消し去るときに使う言葉です。
「廃絶」にしかない意味があるという点も違いのひとつですが、とくに似ているもうひとつの意味を比べたときの違いは、その「対象」です。
「廃絶」は、制度やきまりごとの形として存在していることが前提となっており、それを「廃止する」という作業をしたためにそれが「なくなる」ということをあらわしています。
対する「根絶」は、悪人の組織やウイルスなどを根本や根本から消し去るというときに使います。
つまり「廃絶」は「制度やきまりごと」に、「根絶」は「害のある集団やウイルスなど」に使うということです。
「廃絶」を使った例文を紹介
・『あの制度は市民のためを思って作られたとは思えないほど厳しすぎるので、廃絶してほしいという署名がたくさん集まったということを聞き当然だろうと思った。』
「根絶」を使った例文を紹介
・『両親を殺したあの団体を許さない。警察は動いてくれないが、いつか絶対に根絶してやる。』
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「廃絶」は制度やきまりごとを廃止してなくすときに使い、「根絶」はなにかの集団などを根絶やしにする、消し去るといったときに使う言葉でした。