この記事では、「快刀乱麻」と「一刀両断」の違いを分かりやすく説明していきます。
「快刀乱麻」とは?
もつれた物事をあざやかに処理するさまのたとえです。
「快刀」には、切れ味のすばらしい刀という意味があります。
刀は、武器として使う刃物や小さい刃物のことです。
「快刀乱麻」が意味する刃物は包丁のことではありませんが、包丁でいうと切れ味がすばらしいとは、トマトの皮がくっつかずにスパッと切れるようなさまをいいます。
「乱麻」とは、みだれもつれた麻の糸のことです。
麻糸は手芸で使う細い糸とは違い、みだれもつれた状態になってしまうと、断ち切るのが難しいです。
一般的なハサミでは切ることが難しいでしょう。
このような状態でも、よく切れる刃物ならスパッと断ち切ることができます。
このようなさまから、「快刀乱麻」はもつれた物事をあざやかに処理するさまをいいます。
「快刀乱麻」の使い方
たとえとして使用する言葉です。
実際に麻糸を刃物で切るのではありません。
入り組んで解決が困難な問題をあざやかに処理するさまをたとえて使用します。
「一刀両断」とは?
物事をためらわずに思い切って処理するさまのたとえです。
「一刀」には、刀を一回振り下ろして斬り払うという意味があります。
思い切りがある切り方です。
切ってしまったら元に戻すことはできないので、真っ二つにするには思い切りが必要です。
「両断」には、二つに断ち切ることという意味があります。
たとえば、丸太に斧を振り下ろせば二つに断ち切ることができます。
くっついていない状態です。
「一刀両断」は、思い切りよく断ち切るさまを表しています。
そこから、物事をきっぱりと決断することや、物事を思い切って処理するさまのたとえになります。
「一刀両断」の使い方
たとえとして使用をします。
実際に物を真っ二つにすることを指して使用することは少ないです。
思いきりよく処理するさまをいいます。
ぐずぐずしていることではありません。
「快刀乱麻」と「一刀両断」の違い
どちらも刀で切るさまからのたとえですが、同じことではありません。
前者は物事をあざやかに処理するさまのたとえです。
入り組んだ物事の処理に苦労することは少なくありません。
そういったものをものの見事に処理してしまうさまをいいます。
後者は思い切りよく処理するさまのたとえです。
ためらわずに始末をつけることをいいます。
「快刀乱麻」の例文
・『快刀乱麻の勢い』
・『快刀乱麻を断つ』
・『まさに快刀乱麻』
・『快刀乱麻を見せつける』
「一刀両断」の例文
・『主要人らを一刀両断した』
・『一刀両断にされる』
・『コラムニストが一刀両断します』
・『一刀両断で物事を解決する』
まとめ
どちらの言葉も刀で切ることからのたとえですが、同じ意味を持っているのではありません。
一方はあざやかな処理の仕方、もう一方は思い切りがよい処理の仕方を指しています。