この記事では、「思い込み」と「勘違い」の違いを分かりやすく説明していきます。
「思い込み」とは?
「思い込み」には二つの意味があります。
ひとつはあることを深く信じて全く疑わないこと、もうひとつは何かを固く決心することです。
「あの人は思い込みが激しい」「思い込んだら突進するタイプ」など日常会話でたびたび使われている言葉です。
「思い込み」は良い意味で使われないこともよくあります。
「勝手にそう思い込んで他の人の意見を聞かない」などは、事実とは違うことを信じて周囲の意見に耳を貸さずに困ったというようなニュアンスになります。
同じような意味を持つ表現に、「決めてかかる」があります。
これも最初から固定観念を持っていて、他の見解を持てないことを意味します。
「思い込み」の使い方
「思い込み」は広い視野を持っていない、他人の意見を聞かない、真実に目を向けていないなどの時に使います。
「自分がかたくなに信じていたことが、正しいことや真実ではなかった時には「あの時はそう思い込んでいた」と言います。
これはどちらかというとネガティブなニュアンスが感じられる使い方です。
また頑固なくらい強い決意を持っている状態も「思い込んだら命がけ」のように「思い込み」が変化した形で表現しますが、こちらはどちらかといえばポジティブなニュアンスが感じられます。
「勘違い」とは?
「勘違い」は何かを間違って思い込むことを意味します。
感じの通り「勘」が違ってしまったことです。
ちなみに「勘」には物事を直感的に判断する能力を意味します。
「すっかり勘違いしていた」などは、悪気はないけれど思い違いしていたことを認める時や謝る時に言うセリフです。
また自意識が過剰な人や思い上がりが激しい人も「勘違い人間」と「勘違い」を使って表現します。
これは自分を判断する「勘」きちんと働かずに、自分を過大評価している人間という意味です。
「勘違い」の使い方
「勘違い」は「悪意はないけれど思い違いをしている」というのを表現する言葉です。
例えば約束の時間を間違えて遅れた時に「5時だと勘違いしていた、ごめん」といえば、大抵の人は故意に遅れたのではないのだからと許してくれます。
つまり「勘違い」は言い訳するには都合の良い表現です。
似たような言葉に「間違い」があります。
こちらはミスを犯した時に使う言葉で、うっかりというニュアンスがある「勘違いより」重い感じがします。
他の人のミスを指摘する時に「ちょっとと勘違いしていない?」の方が「ちょっと間違っていない?」より表現がきつくありません。
「思い込み」と「勘違い」の違い
「思い込み」は何かを自分の価値観だけで判断してそうだと信じてしまうことで、視野が狭くなっている状態を表します。
しかし「勘違い」は単に間違って信じてしまっただけの、単なる思い違いになります。
「思い込み」の例文
・『彼女は子供が誘拐されたと思い込んでパニックになった』
・『それは勝手な思い込みだ』
・『思い込みはやめて、もっと周囲のアドバイスを聞いたらどう?』
・『母は僕が天才だとの思い込みが強くて、困っている』
「勘違い」の例文
・『やっぱり僕の勘違いだった』
・『もしかすると、彼女は勘違いしているかもしれない』
・『奴は自分が偉いと勘違いしている』
・『時には勘違いすることもあるよ』
まとめ
「思い込み」と「勘違い」は似たような意味で使う場合もあります。
しかし「思い込み」より「勘違い」の方が、ニュアンス的には軽い感じがします。