「言い出す」と「言う」の違いとは?分かりやすく解釈

「言い出す」と「言う」の違い違い

この記事では、「言い出す」「言う」の違いを分かりやすく説明していきます。

「言い出す」とは?

「言い出す」とは、言い始めること、一番に言い始めること、または突然にものを言うことです。

「言い出す」は動作を表すサ行五段活用で、「言う」「出す」の二つの単語を組み合わせた複合動詞にあたります。

「出す」は動詞に付いて「~し始める」という意味を持つ言葉です。

「言い出す」「言う」「出す」が付くことで、ただものを言うのではなく、今まで言葉を発していなかった人が新たにものを言い始めるさまを強調する言葉になっています。

「言い出す」は、単に話を切り出すさまを指す言葉ですが、どちらかというと急に突拍子もないことを言い始める状況で用いられることが多いです。

その際は「急に」「唐突に」と組み合わせて表現されます。


「言い出す」の例文

・『言い出した人が責任を持って実践してください』

・『エアコンを付けなかったら、友人が暑いと言い出した』

・『急に何を言い出すんだ?』


「言う」とは?

「言う」とは、思っていることを声に出して伝えることです。

また、物が音を立てるさま、世間で一般的に呼ばれているさまを表すときにも使われます。

漢字の「言」の成り立ちを見ると、刺青をするための針を表す「辛」「口」で構成されており、口は「悪いことをしたら罰を受ける」という誓いを意味しています。

「言」の成り立ちが誓いを表しているように、「言う」とは単に口から音を発する行為でなく、意味のある言葉を伝えるため声を発することを指しているのです。

ただし「独り言を言う」など、会話をする相手がいないのに言葉を口にする場合にも「言う」を用います。

類語の種類が「述べる」「話す」「語る」など多彩に展開するように、「言う」は幅広い状況を指す言葉といえるのです。

「言う」の例文

・『夫に文句を言う』

・『風が吹くたび戸がガタガタ言う』

・『富士山の初夢は縁起が良いと言われている』

「言い出す」と「言う」の違い

「言い出す」「言う」の違いを、分かりやすく解説します。

「言う」は、言葉を口に出すことです。

「言い出す」「言う」「出す」を組み合わせた複合動詞で、言い始めること、話を切り出すことを表します。

「言う」は言葉を口にすること全般を指し、広義には「言い出す」「言う」の一種にあたるといえます。

「言う」との違いは、「言い出す」が話し始めることに限定された表現というところです。

始めることを意味する「出す」が付くことで、発言していなかった人が話し始める状況を強調しています。

「言う」は幅広い場面で使えますが、「言い出す」はどちらかというと唐突に話を切り出す状況を指して使われることが多いです。

まとめ

「言い出す」「言う」「出す」を組み合わせた複合動詞のため「言う」とは意味合いが変わってきます。

どちらも幅広い場面で口にする言葉です。

何気なく使うことも多いですが、これを機に正しい意味と両者の違いをおさらいしておきましょう。

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