「怨嗟の声」
「怨嗟の声」は「えんさのこえ」と読みます。
「おんさのこえ」と読み間違いをする人が多いので注意しましょう。
「怨嗟の声」の意味
「怨嗟の声」の意味や由来などについて紹介します。
「怨嗟の声」の意味
「怨嗟の声」は「うらみを抱き嘆く声」「人が恨みを抱き嘆き言葉を口にする様子」という意味です。
他に転じて使う意味はなく、はっきりとした意味を持っています。
「怨嗟の声」の語源
「怨嗟の声」の語源は、漢字を分けて考えます。
「怨」という漢字は「おん」と読むことも多く「怨霊」「怨念」など非常におどろおろどしいイメージがあります。
意味は「うらみ嘆くこと」で、人が身体を曲げている様子を表す象形文字です。
「身が曲がる程の思い=強いうらみ」という意味で生まれました。
「嗟」という漢字にも同様に「嘆く」という意味があります。
こちらの漢字は「口」に「差」で、「感嘆したり悲しんだ時に『ああ』という声」「ちっと舌打ちをする音」という音という意味で生まれました。
「怨」と「嗟」が組み合わさることで「恨みを持ち声を出して嘆く様子」を表し、「怨嗟の声」とすることで実際に「恨み嘆く声がする様子」を表しているのです。
「怨嗟の声」の言葉の使い方
「怨嗟の声」の使い方には以下のポイントがあります。
かなりネガティブな意味であること
「怨嗟の声」はちょっとした不満や愚痴をもらすこととは違います。
非常に強い恨みを持った人が嘆いて言葉を述べることを言い、聞いて貰うだけでスッキリするレベルではありません。
会社の商品やサービス、自分個人に対して「怨嗟の声が上がっている」と言われたら非常に深刻な状況です。
同じ様に「怨嗟の声」を使う時にはそれほど事態が深刻であることが前提です。
「怨嗟」だけでも意味が通じる
「怨嗟の声」は「怨嗟+の声」に分けられます。
「怨嗟」は名詞で「恨み嘆く」という意味があり、その他の様々な品詞と結びついて使われます。
「怨嗟の的になる」「怨嗟を買う」「人々の怨嗟」など名詞として幅広く活用できます。
但し「怨嗟する」という形の動詞にはなりません。
「怨嗟の声」を使った例文・短文(解釈)
「怨嗟の声」を使った例文と解釈を紹介します。
「怨嗟の声」の例文1
「有権者の怨嗟の声が強く議員が辞職に追い込まれた」
最近の政治家は汚職だけではなく不倫やセクハラ行為も目立つ様になってきています。
特に地元密着型の参議院議員が不祥事を起こすと、有権者の怒りは収まりません。
折角一票を投じたのに役割を果たしてくれないことで怒りや恨みが募り、議員が辞職する程大きな動きに発展した様子を表しています。
「怨嗟の声」の例文2
「急なリストラで社員の怨嗟の声が上がった」
最近の不況で中小企業は経営が思わしくなくリストラをせざるを得ないこともあります。
しかし家族を養う必要がある人が急にリストラされると路頭に迷ってしまうでしょう。
会社に対して恨みつらみを述べても仕方なく、嘆きながら退職していく状況を表しています。
「怨嗟の声」の例文3
「二股をかけられた彼女は彼氏に怨嗟の声を浴びせた」
恋人に二股をかけられると非常にショックなものです。
フラれたという怒りだけではなく、自分という恋人がありながら他の女性にうつつを抜かしていたことが許せずに恨みを持つのも当然です。
感情を抑えられずに彼氏に恨みや嘆きを述べている様子を表す文です。
「怨嗟の声」の例文4
「まるで詐欺まがいのネットショップに怨嗟の声が集中した」
ネットショップは便利ですが様々なトラブルが起こる可能性があります。
あまりにもトラブルが多いと、口コミサイトでネガティブなことを書かれたり、消費者センターに通報されたりするでしょう。
購入者の多くが非常に怒っている様子を表しています。