この記事では、慣用句の「恩を仇で返す」の意味を分かりやすく説明していきます。
「恩を仇で返す」とは?意味
「恩を仇で返す」の読みは、「おんをあだでかえす」で、「人からもらった善意に対して、感謝することなく、むしろ悪意をもって答えること」を意味する慣用句であり、ことわざです。
「恩を仇で返す」の概要
「恩を仇で返す」の明確な由来は不明で、特定の逸話がもとになっているものでありません。
しかし「恩義」を受けた人に対して、その「恩義」に報い、応えるべきとの想いがありながら、それを平気で破ってしまうようなことは、どの国においても中世の戦いが絶えなかった時代にはしばしば、起きていた事です。
こうしたことが、このことわざの由来となっていることは違いないと思われます。
この直接的な「恩義」と「裏切り」の関係から転じて、広く「人からもらった善意に対して、感謝することなく、むしろ悪意をもって答えること」の意味でも使われるようになった言葉といえます。
いつの時代にも「恩は恩で返すべき」で、「恩を仇で返す」行為は、非道徳的な行為として嫌われており、現代でもこの言葉は、相手を非難する意味で使われる慣用句です。
「恩を仇で返す」の言葉の使い方や使われ方
「恩を仇で返す」の言葉は、以下の様な例で使われます。
・『彼は何度も恩を仇で返されたことがあります。にもかかわらず、自分は人を信じたいと恨むことなく、そんなスタンスを貫いています』
・『彼には何度も仕事上で困った時に助けてもらいました。それなのに、社内の派閥争いに巻き込まれ、他派閥に付いた彼に対して、恩を仇で返す様なことをしてしまい、本当に申し訳ないと思っています』
・『いくら蜜月関係でなくなったとしても、恩を仇で返すことを平気で行うとは、人間性を疑ってしまいます』
・『どんなに追い込まれる様な状態になっても、絶対に恩を仇で返す様なことはしないのが、私の信条です』
・『彼女はちょっとしたことに対しても、すぐに恩を仇で返すと言う言葉を使います。自分が他人に善意の行為をしていると言う意識が過剰すぎます』
「恩を仇で返す」の類語や言い換え
「恩を仇で返す」に似たことわざとしては、「後足で砂をかける」や「飼い犬に手を噛まれる」や「獅子身中の虫」や「軒を貸して母屋を取られる」などが挙げられます。
紙面の都合で詳細な意味は省略しますが、シーンに応じて使い分けられるようになれば、語彙が飛躍的に高まります。
また平易な言葉では、「恩を忘れる」や「恩知らず」や「裏切る」と端的な表現に言い換えることも出来ます。
まとめ
「恩を仇で返す」の読みは、「おんをあだでかえす」で、「人からもらった善意に対して、感謝することなく、むしろ悪意をもって答えること」を意味する慣用句であり、ことわざです。
この慣用句の由来は明確ではありませんが、恐らくは戦国時代のような時代に、連合したり離反したりが繰り返された事から生まれたものと推察されます。