こちらの記事では、「悠長」と「悠然」の違いを分かりやすく解説していきます。
「悠長」とは?
「悠長」とは、ゆうちょうという読み方をする言葉です。
字を見れば分かる様に、気持ちがゆったりしている、とか、どこまでも続く、といった意味合いを持つ悠の字に、ながいという意味を持つ長の字を組み合わせる事によって生まれた言葉となっています。
なので、気が長くて態度や動作が落ち着いている、といった意味を持っているのです。
「悠長」の使い方
「悠長」は動作や態度の様子を表現する際に、用いられるのが基本の言葉となっています。
しかも他者を見て、その様を表現する際に使用される事が多いです。
具体的には、悠長な口振り、悠長に構える、といった表現が見られます。
また危機感の無さや暢気な様子を否定する意味を込めて、悠長にお喋りしている場合ではない、といった使い方をする事もあるのです。
「悠然」とは?
「悠然」は、ゆうぜんという読み方をする言葉となっています。
気が長いといった意味を持つ悠の漢字と、そのまま、とか、その通り、といった意味を持つ然の字を組み合わせる事で成立した言葉です。
だからこそ、物事に動じる事なくゆったりと落ち着いている様子、という意味合いを持つ言葉となっています。
「悠然」の使い方
「悠然」は、物事に動じずに落ち着いた態度でゆったりとしている様子、つまり態度に余裕を感じる様を表す際に、使われる事が多い言葉です。
具体的には、悠然としている、とか、悠然とした、といった表現が多く見られます。
「悠長」と「悠然」の違い
「悠長」と「悠然」は、同じく悠の漢字が用いられている事から、似た様な印象を受ける人が少なくありません。
ですが2つ目の文字は、長と然という明確な違いがある事からも持つ意味合いには違いは生じています。
どちらも悠の文字から、ゆったりとかのんびり、という意味合いがありますが、悠長の方はゆったりとした動作や態度から、気が長いという部分を強調した言葉です。
しかものんびりし過ぎている、という否定を含んだ使い方をされる事も少なくありません。
一方の「悠然」の方は、のんびりと落ち着いている態度や様子そのものに焦点を当てた言葉です。
「悠長」の例文
・『テストが間近に迫っているのに、彼は悠長にゲームを楽しんでいる』
・『周囲の慌て振りを余所に、彼は悠長に構えている』
・『彼女は何時も通り、悠長な口振りで話し始めた』
「悠然」の例文
・『試合に勝利した彼は、悠然と立ち去って行った』
・『会社が危機的な状況の今こそパニックにならずに、敢えて悠然と構える事が必要である』
・『皆が慌てふためく中、悠然と構える彼女の姿が印象的だった』
まとめ
「悠長」と「悠然」は、同じ様にゆったりとした態度や動作等を表す言葉です。
ただし「悠長」は、気の長さにスポットを当てており、のんびりと気長に構え過ぎる、という批判的な意味にも用いられます。
「悠然」の方は、シンプルにのんびりとした動作や様子を表す際に用いる言葉です。