「悪知恵」について
悪知恵は、見た目の通り、いい意味の言葉ではありません。
ですが、場合によっては役に立つこともあると言えるでしょう。
「悪知恵」の意味とは
悪知恵とは、「悪い方向に働く知恵」のことです。
ちょっとしたものから、すごいことを考えると思ってしまうようなものでその内容は様々ですが、中にはよくそんな知恵が働くものだと感心してしまうものまであります。
もちろん悪いことに対しての知恵なので、そんなものは働かさないに越したことはありませんが、これによって際どい場面を切り抜けられるようなこともあり、全てが(あくまで、この悪知恵によって切り抜ける側にとって)悪いものだとは限りません。
「悪知恵」の言葉の使い方
悪知恵は、ピンチの時に咄嗟に浮かんでくることが少なくありません。
言ってしまうと、その場を誤魔化す為の知恵なので、決していいことではありませんが、一時的にせよ、それによって助かることもあると言えるので、そのような悪知恵は、いわゆる「必要悪」とでも表現するのが一番なのかも知れません。
また、事前から練りに練った悪知恵は、たちの悪いものも多いので、そのようなものは例え考え付いたとしても、実行には移さないに限ります。
「悪知恵」を使った例文
悪知恵を使った例文です。
実際に、どのようなものが悪知恵と呼ばれるのかが分かると思います。
「悪知恵」の例文1
「掃除するように言われたが、悪知恵を働かせて、やったように見せ掛けただけで済ませた」
この程度の悪知恵であれば、まだかわいいものです。
具体的には、ほうきや掃除機を誰かに見えるように(いかにも掃除している姿に見えるように)持ち運んで、実際には何もせず、それが終わったように振る舞うといった具合です。
「悪知恵」の例文2
「彼女に浮気がバレそうになったが、咄嗟に悪知恵で同僚と言って切り抜けた」
咄嗟に悪知恵が働いたという例ですが、この場合は悪知恵と言うよりは、その場で出た嘘だと言った方がいいかも知れません。
ですが、そのような嘘も悪知恵には違いなく、切り抜ける為に色々な嘘を重ねていたことも考えられます(そういった行為自体が悪知恵です)。
「悪知恵」の例文3
「カンニングする為に、前の人の椅子の後ろに書いておくという悪知恵はどうだろう」
よく考え付くものだと思ってしまう悪知恵です。
こういった行為はもちろんやってはいけませんが、いざ思い浮かんでしまうと、ついやってみたくなってしまう気持ちも分からなくもありません(ですが、決してやらないようにしましょう)。
「悪知恵」の英語と解釈
悪知恵を英語で表現すると、“cunning”(カンニング)となります。
上の文で挙げた日本語におけるカンニングは、「不正行為」のことですが、それは英語では“cheating”(チーティング)と表現します。
英語では“cunning”こそが「悪知恵」で、日本語とは意味が違うので注意してください。
尚、上の「チーティング」は、進行形にしない形の「チート」と変えて、オンラインゲームの世界で「通常のプレイではない方法による不正」という意味でよく使われます。
「悪知恵」の類語や類義表現
悪知恵と似た意味の言葉や表現です。
どれも、いい意味のある言葉ではないのは言うまでもないでしょう。
「狡猾」(こうかつ)
「悪賢い」ことを表現する言葉で、「悪知恵」より悪い意味が強いと考えてください。
「彼は狡猾な奴だ」と使うと、その彼は、いつも悪賢いことばかりを考えているという解釈になります。
「姑息」(こそく)
「その場凌ぎの間に合わせ」という意味で使います。
「姑息な手段で逃げた」などという使い方になり、その手段として「悪知恵」が働いていると考えていいでしょう。