「情死」と「心中」の違いとは?分かりやすく解釈

「情死」と「心中」の違い違い

この記事では、「情死」「心中」の違いを分かりやすく説明していきます。

「情死」とは?

情死とは、じょうしという読み方をする言葉です。

文字で記されたこの言葉を見れば即座に気付く事ですが、男女の愛とか異性を慕う気持ちといった意味がある情の文字に、しぬとか命がけといった意味の死という文字を加える事で生じている言葉となっています。

そのため情死とは、愛し合っている男女が違いに合意した上で一緒に死ぬ事を表すのです。


「情死」の使い方

情死は、恋愛関係にある男女が合意した上で一緒に自殺する、という意味を表現する際に使用される言葉となっています。

愛し合う男女が共に死のうと決めそれを実行する行為を表す言葉なので、どちらかの独断で死を選んだ場合にはこの情死という言葉は使用されません。

更にあくまで自ら死を選ぶ事を意味するので、愛する2人が事故で死んだ場合にもこの情死という言葉を用いる事はないです。


「心中」とは?

心中とは、しんじゅうという読み方をすべき言葉となっています。

漢字で表記されたこの言葉を見れば明確な事ですが、こころとか精神、しんぞう等の意味を有する心の漢字に、その間ずっとやその範囲全体に渡るといった意味を有する中の漢字を付け足す事により、成立している言葉です。

だからこそ心中は、複数の人間が一緒に死ぬ事や、相愛の男女が合意の上で一緒に死ぬ事を表す言葉となっています。

「心中」の使い方

心中は、基本的に複数の人間が一緒に死ぬ事を示す言葉として使用されているのです。

例えば愛し合う男女が合意した上で一緒に自殺する事を意味したり、或いはシンプルに、複数の人間が一緒に自殺するといった事を表したりします。

加えて家族や恋人等を巻き込んで、同意を得ずに無理矢理一緒に死ぬ事も、無理心中という表現で表す事が可能です。

「情死」と「心中」の違い

情死と心中は文字を見比べても、全然違う言葉を使用している上に読み方も全然違っています。

ですが双方共に、死を意味する言葉であるため、使い分けを意識するとどちらを使うべきかで悩む人もいるものです。

ちなみに情死は、愛し合う男女が合意した上で一緒に自殺する、という行為を表す言葉となっています。

一方の心中は情死と同じ意味合いを含みつつ、複数の人間が一緒に自殺したり、或いは相手の同意無しに愛する相手と自殺しようとする事も含む言葉です。

なので心中の方が、広い意味合いでの複数の人間による死を表す事が出来ます。

「情死」の例文

・『練炭をたいた小屋の中から、情死と見られる男女が発見されました』

「心中」の例文

・『今空き家になっているあの家に住んでいた家族は、5年前に一家心中したらしい』

まとめ

2つの言葉は互いに違う文字を使っており、パッと見にでは特に共通点は見られません。

ですが共に複数の人間による死という、同じ意味合いを表すので混同してしまう恐れはあります。

ただし情死の方は、愛し合う男女が合意した上で一緒に自殺する事を意味する言葉です。

対する心中は、そんな情愛を含みつつ、複数の人間が一緒に自殺したり、相手の同意無しに一緒に死を選ぶ事を表す言葉となっています。

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