この記事では、「所以」と「由縁」の違いを分かりやすく説明していきます。
「所以」とは?
「所以」は、「ゆえん」と読みます。
意味は、いわれ、わけ、理由、です。
「ゆえに」が変化し「所以」となった言葉です。
「○○だからこのようになった」といった感じで用いられ、「こういう理由で」といった意味となります。
「所以」の類語には、「事由」、「理屈」、「根拠」、「事情」、「道理」などがあります。
「所以」の使い方
理由やわけと同じ意味を持つ「所以」。
そのため、使い方は、何らかの理由の説明の後に「結果、このようになった」といったような形での使い方となります。
例えば、「○○たる所以」の場合、「言われる所以」などがあります。
つまり、「言われる理由」といった意味で用いられる言葉となります。
そのほか、「好かれる所以」や「尊敬される所以」、「続ける所以」などといった使い方もあります。
「由縁」とは?
「由縁」は、「ゆえん」と読みます。
意味は、事の起こりや由来、わけ、です。
「由縁」の場合、主に事の始まりを意味することが多く、また、風習や伝承などとの関係性を表す言葉となります。
「由縁」の類語には、「間柄」や「結びつき」、「ストーリー」、「ヒストリー」、「縁由」、「縁引」、「縁故」などがあります。
「由縁」の使い方
主に事の始まりを意味する「由縁」。
そのため、その事の始まりを示す名詞のあとに付け使用する使い方が多くなります。
例えば、「地名の由縁」や「言い伝えの由縁」、「生まれた由縁」、「その由縁」などとなります。
「所以」と「由縁」の違い
同じ読み方「ゆえん」となる「所以」と「由縁」。
「所以」には、わけ、いわれ、といった意味があり、「由縁」には、因縁、ゆかり、といった意味があります。
「由縁」の場合、「縁」という漢字が用いられていることから、「縁」という意味が強い言葉となります。
これらが、「所以」と「由縁」の主な違いです。
「所以」の例文
・『彼が子供から好かれる所以は、彼自身の人柄にあると思います。』
・『この学校が進学校であると言われる所以は、有名大学への進学実績の多さにあります。』
・『先生が尊敬される所以は、生徒第一の考えの先生だからと私は思っています。』
・『あの選手が好成績を残し続けることができる所以は努力にあります。』
「由縁」の例文
・『私が暮らす町の名前が決められた由縁を自由研究の材料にしました。』
・『古くから故郷に伝わる言い伝えが由縁で、地名が付けられたそうです。』
・『生まれ育った町に、この名前が付けられた由縁について調べることにしました。』
・『酒蔵に生まれた私としては、この場所で美味しいお酒が生まれた由縁を調査する必要があると思う。』
まとめ
同じ読み方でも意味も使い方も異なる「所以」と「由縁」。
「所以」は由来。
「由縁」は、因縁と覚え、それぞれに適した意味での使い分けが必要です。