人の性格やふるまいを表す言葉のひとつに「抜け目がない」という表現があります。
良い意味でも悪い意味でも使われているイメージのある言葉ですが本来はどのような意味なのでしょうか。
今回は、「抜け目がない」の意味と類似表現について解説します。
「抜け目がない」とは?意味
「抜け目がない」とは、「手抜かりや見落としがなくしっかりしているさま」という意味の言葉です。
「抜け目がない」の概要
想定外の事態に対してしっかり備えていたりすぐさま行動できるよう準備ができているなど「損失を回避し利益が得られるようしっかりと考えて行動している様子」を指す言葉が「抜け目がない」です。
「抜け目がない」の「抜け目」とは「物事のすき間や穴」を意味しています。
ある物事においてすき間や穴が内容にしっかり備えて準備しておく」のが「抜け目がない」の意味合いです。
一般的には「利益に対してしっかりしている」という意味で使われる言葉です。
「チャンスを無駄にしない」「リスクに備えている」といったような肯定的な意味合いで使われる一方で、「金に汚い」「欲深い」といったような悪い意味合いで使われることもあります。
基本的には知恵が回り行動力もあることを表していますが、知恵や賢さをどう評価するかは時と場合によります。
現在では「自分の利益を再優先にしている」というようなネガティブなニュアンスで使われるケースが多く、肯定的に使われる場合も利益に対する執着を逆説的に評価するような直接的な褒め言葉ではない使われ方をされています。
「抜け目がない」の言葉の使い方や使われ方
・彼女は自信の利益に対して抜け目がない。
・おみやげを持ち帰るために袋を持参しているとは実に抜け目がない。
・彼は抜け目がないからサインを貰うために色紙を持ってきているはずだ。
・品不足になる前に自分の分だけはしっかり確保しているとは、抜け目のない彼らしい行動である。
「抜け目がない」の類語や言いかえ
・目端が利く
「物事をよく見ていて機転が利く」という意味の言葉です。
一般的には「動きや変化に対して敏感でチャンスやタイミングを見逃さず行動する」という意味で使われています。
具体的な行動の様子は「抜け目がない」と非常によく似ていますが「抜け目がない」がずる賢さや小賢しさなど若干悪い要素が含まれるのに対し、こちらは細かいところまでしっかり見ていることを褒めており良い意味で使われます。
・ちゃっかりしている
「得するように計算高く行動し要領よく立ちまわる」という意味の言葉です。
「人の利益に相乗りする」「おこぼれに預かる」といったような他力本願なニュアンスが強い表現で、「抜け目がない」に比べると労力をかけずにいい思いをしようとしている様子を表します。
・そつがない
「ミスや失敗がなくきちんとまとまっている」という意味の言葉です。
必ずしも満点ではないが十分に合格点には達しているというクオリティの高さを表す言葉です。
取りこぼしや見落としがないという点が「抜け目がない」との共通点ですが「抜け目がない」に比べるとストレートに褒めているニュアンスが強く、否定要素を含まない褒め言葉として使われています。
まとめ
「抜け目がない」というのは良い意味にも悪い意味にもとれる微妙なニュアンスの言葉です。
文脈や使う場面によって受け取る相手の感情も変わるのでたとえ良い意味だと思っても軽々しく使うのは禁物です。
言葉の意味だけでなくそれまでの話の流れなどにも注意して使いましょう。