「はねつける」という意味の言葉は、いくつかあります。
この記事では、「拒絶」と「一蹴」の違いを分かりやすく説明していきます。
言葉の違いを、正しく認識していきましょう。
「拒絶」とは?
拒絶(きょぜつ)とは、ノーと断ること。
相手の申し出を受け入れないことです。
依頼や提案に対して、まったく応じないことが「拒絶」です。
拒絶の「拒」には「こばむ」という訳があります。
「こばむ」というのは、向こうからやってくる強力なパワーに対してストップをかけること。
前に進もうとする力を、妨げることです。
そして「絶」には「ことわる」という訳があります。
そのため「拒絶」とは、相手の思惑通りに進まないように遮って断ることです。
使い方には「水面下での接触を図ろうとしたが、提案を拒絶された」や「療養中ということもあり、取材を拒絶します」などがあります。
拒絶は「ことわる」という意味があり、強いニュアンスで用いることが多いです。
「一蹴」とは?
一蹴(いっしゅう)とは、相手にしないではねつけること。
相手の提案を、突っぱねてお断りすることです。
こちらも強い響きのある言葉です。
「一蹴」は「ひとつ蹴る」と書きます。
相手から投げられたボールを、蹴り返すのが「一蹴」です。
「蹴」という漢字には「蹴とばす・踏みつける」という、少々乱暴に思える訳もあります。
取るに足らない問題を、よく調べずに、はじき返すのが「一蹴」。
強い立場の人が、弱い立場の人に対して用いるフレーズになります。
一蹴の使い方には、このような文があります。
「幹部役員に発表をおこなったが、高笑いのうえ一蹴された」「父にゲーム機をねだったが、勉強の邪魔になると一蹴された」。
受け入れないこと、そもそも議題にあがらないことが一蹴です。
「拒絶」と「一蹴」の違い
どちらも似たような意味を持つ言葉です。
「拒絶」と「一蹴」の違いを、分かりやすく解説します。
・議題にもあがらない「一蹴」
どちらも相手の提案を受け付けないこと、断るという意味合いで用いられます。
「拒絶」は拒否よりも強い言い回しの言葉。
「相手の申し出を吟味してから、訴えをしりぞける」という意味があります。
それに対する「一蹴」は「相手の申し出をきちんと見ずに、突っぱねること」。
見る価値がないものと判断して、突き返すことです。
どちらも拒まれた相手に、強烈なパンチを与える言葉です。
ただ「提案書に目を通している」のは拒絶。
「提案書に目すら通していない」のは一蹴です。
そのため拒否の度合いが強いのは一蹴。
一蹴より弱いのが拒絶になります。
まとめ
「拒絶」と「一蹴」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「受け入れたくない」という強い思いが感じられる言葉です。
拒絶は相手の申し出を、かたく拒むこと。
「できない」と伝えることです。
そして一蹴は相手の申し出を、きつく受け入れないこと。
中身を読まずに、はじき返すことです。
どちらも相手に不信感があるとき、使われる言葉となります。