「掌中」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「掌中」

掌中は「しょうちゅう」と発音し、どちらかと言うと、あまりいい使い方はしない言葉です。

言葉自体に特に悪い意味は含んでいませんが、どうしてもそのような使い方になることが多くなってしまいます。

それは、大きな意味があるからに他ならず、あまり使うことはないかも知れませんが、その意味や使い方は覚えておいてもいいでしょう。

「掌中」の意味

掌中とは、その対象が「自分の手の中(自分のもの)」だという意味で使う言葉です。

その為、どうしてもいい使い方はしない傾向があるのです。

例えば、「あの会社はもう掌中に収めたも同じだ」と使うと、その会社を手に入れたも同じという意味になり、やはりあまりいい表現でもありません。

この「掌中に収める」という使い方をされることが多く、「掌中だ」「掌中にある」という使い方もよく見掛けます。

「掌中」の由来・語源

掌中という言葉は、「掌」(てのひら)の「中」から作られた言葉です。

この言葉の意味そのもので、「掌」「手の平」とも表記できますが、「掌」と書くことで、その意味を強調できると考えていいでしょう。

ですが、物理的な(本当の)手の平を表す場合にはあまり使いません。

主にこの「掌中」のような意味で「てのひら」(=手の中、自分のもの)と言いたい時に使う漢字だと覚えておいてください。

「掌中」の類語と解釈

掌中と同様の意味で使うことができる言葉に、「掌握」(しょうあく)があります。

この掌握も「掌」「握る」という意味から作られた言葉で、掌中とほとんど同じように使えます。

先に挙げた「あの会社はもう掌中に収めたも同じだ」をこの言葉で言い換えると、「あの会社はもう掌握したも同じだ」となり、「掌中に収める」まで含めた表現だと考えていいでしょう。

「掌中」の言葉の使い方

掌中は、あまりいい意味では使わない(使えない)と書いてきましたが、場合によってはそうでもありません。

この言葉よりも、上の「掌握」の方が悪い意味になることが多く、「掌中」はそうでもない前向きな意味で使えなくもありません。

ですが、その場合も若干ながら、野心や企みが見え隠れすることが多々あり、全くそのようなニュアンスを含みたくない場合には、できれば他の表現で言い換えた方がいいかも知れません。

「掌中」を使った例文・解釈

掌中を使った例文です。

それほど悪い意味ではない使い方も交えて挙げていきます。

「掌中」の例文1

「やっとあの会社を掌中に収めることができそうだ」

企業買収などで、狙っていた会社を手に入れることができそうだと言っている例文です。

この「掌中」は、このような時に使われることが多いので、どうしても悪いイメージが付いている言葉になってしまっています。

「掌中」の例文2

「狙っていた車をそろそろ掌中にできそうだ」

この例では、「掌中」と使っていても悪いイメージはほとんどありません。

お金の都合がついたので、その車を手に入れられそうだと言っているだけです。

若干の野心や企みが絡んでいると解釈されるケースがあると先に書きましたが、それらもほとんどない表現となっています。

「掌中」の例文3

「このピンチさえ乗り切れば、もう勝利は掌中だ」

野心や企みとまでは言いませんが、「勝利」という欲が多少覗いていると言えるでしょう。

ですが、この程度であれば全く悪い意味はなく、むしろ積極的な姿勢の表現として解釈していいでしょう。

「掌中」の例文4

「もう少しで掌中だと思った魚を取り逃がしてしまった」

釣ったと思った魚に寸前で逃げられてしまったと言っています。

この場合には、「魚を手に入れる」という野心などとまでは言えない成功に対する表現で、上の「勝利」の例と似た使い方となっています。

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