この記事では、「既得権益」と「利権」の違いを分かり易く説明していきます。
「既得権益」とは?
「既得権益」とは、きとくけんえきという読み方をする言葉です。
文字表記を見れば理解出来ますが、すでに得ているという意味を持つ既得と、権利と利益という意味を持つ権益を組み合わせて生まれた言葉となっています。
そのため既得権益は、法的根拠に基づいて既に獲得している権利や利益という意味を表す言葉です。
「既得権益」の使い方
「既得権益」は、過去において既に取得している利権と権利を表現する際に用いる言葉となっています。
やや堅い言い回しである事から分かる様に、日常会話の中でこの言葉が登場する事はほとんど見られません。
基本的に政治家や組織等に絡めて、「既得権益」にしがみついている、といった使い方をされる機会が多いです。
「利権」とは?
「利権」とは、りけんと読むべき言葉となっています。
「利権」や有利な事といった意味も有する利の文字と共に、権力や権利という意味を示す権の文字を合体させて誕生した言葉です。
なので「利権」は、業者が政治家等と結託する事によって得られる「利権」を表現する事が出来ます。
「利権」の使い方
「利権」とは、政治家や役人と結託する等して業者が得る利益という意味を表す際に使用される言葉です。
意味合いの通り、ダーティーなニュアンスを含んだ言葉として使われています。
具体的な使い方としては、利権が絡むとか利権政治といった表現を見掛ける事が多いです。
「既得権益」と「利権」の違い
「既得権益」と「利権」は、何となく見聞きした事はあるものの日常的に使用する機会は余りない言葉だったりします。
そのため似た様な印象で、違いがイマイチ分からないという人も少なくありません。
ちなみに「既得権益」とは、過去の経緯から既に得ている権利や利権を意味する言葉です。
政治家等がこの様な「既得権益」を失わない様にしがみついた結果、問題が生じる事も珍しくありません。
一方の「利権」の方は、業者が政治家や役人と結託する事により得た権益を意味しています。
どちらも政治家や役人が絡む際に使用される事が多い言葉であるものの、持つ意味合いには違いがあるのです。
「既得権益」の例文
・『あの政治家は既得権益にしがみつくばかりで、国民の役に立っているとは言えない』
・『旨味があるだけに、権力者が既得権益の保持に躍起になってしまう事は理解出来る』
・『あの業界では、未だに数多くの既得権益が存在しています』
「利権」の例文
・『あの企業は利権を得ようと躍起になり、この所、役人や政治家に積極的に近付いているらしい』
・『利権絡みのスキャンダルが発覚した事で、あの大臣は辞職する羽目になった』
・『彼は利権を許さないクリーンな政治の実現を目指して、選挙に立候補した』
まとめ
2つの言葉は普段馴染みがないだけに、混同されがちです。
ですが「既得権益」は、法的根拠がありつつも既に得ている利益や権利を表す言葉となっています。
利権の方は、政治家等と結託する事により業者が得ようとする利益を示す言葉です。