この記事では、「日和見」の意味を分かりやすく説明していきます。
日本に昔からある言葉を、学んでいきましょう。
「日和見」とは?意味
日和見(ひよりみ)とは、今日の空模様を気にすること。
晴れるか曇るか、雨が降るか考えることです。
転じて「どっち付かずの態度」も日和見といいます。
周りの状況を見て、はっきりとした態度をあらわさないことです。
はぐらかして決断を先延ばしにする場合に使うので、あまり良い意味では用いられません。
「日和見」という言葉には「日和」という、お天気にまつわる用語がはいっています。
「日和」というのは、気候や空模様のこと。
風の流れや雲の行方など、その日の空気をあらわしています。
天気予報がなかった時代は、いつも空の様子を見て農作業をおこなうか、漁をするか決めていました。
この「空模様を気にする」動作から、しだいに「周りの状況を見て、自分の都合のいいように動くこと」を日和見と呼ぶようになりました。
「日和見」の概要
日和見にまつわる言葉に「日和見主義(ひよりみしゅぎ)」があります。
日和見主義はフランスやイギリスの政治運動から生まれた言葉で、お天気とはまったく関係のない表現になります。
周囲の状況を見て、次の手を決めるという意味があります。
これだけ見るといいように思えますが、自分の意見や考えを持たない人のことを「日和見主義」といっています。
「長い物には巻かれろ」ということわざによく似ていて、力のある人や体力のある方につくのが「日和見主義」の考え方です。
自分の主張を何ひとつ持っていな人を、揶揄する表現になっています。
「日和見」の言葉の使い方や使われ方
「日和見」はこのように用いています。
・『課長は日和見主義だよね。いつも部長におべっかを使っているから』
・『いつまでも日和見なことをしていたら、友達の信頼を失ってしまうよ』
・『話し合いはまとまらず、日和見で終わってしまった』
「日和見」とは八方美人で、人の顔色ばかり気にしているような人を指します。
またそうした人を「日和見主義者」といいます。
自分の意見がない「風見鶏」を指しているので、あまり良いニュアンスで使われることはありません。
また曖昧な結果で終わるミーティングにも使われています。
「日和見」の類語や言いかえ
日和見と似た言葉に、次の用語もあります。
・傍観者
・自分の意見がない
・事なかれ主義
日和見とは自分の信念がなく、ブレやすい人をあらわします。
そのため、ただ眺めているだけという「傍観者」も当てはまります。
「事なかれ主義」とは争いが嫌いで、なあなあで済ませたい人のこと。
いずれも悪い意味があります。
まとめ
「日和見」の意味と使い方をおさらいしました。
「日和見」とは、もともとお天気を気にする言葉です。
天気の行方によって、自分の行動を決めることから「様子見すること」や「結論を先送りにすること」を日和見と呼んでいます。
大人の表現力を磨いていきましょう。