この記事では、「期待」と「信頼」の違いを分かりやすく説明していきます。
「期待」とは?
「期待」とは、あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること、当てにして心待ちにすることを意味する言葉です。
例えば、会社の上司が部下に対して、『この仕事を君なら達成してくれると期待している。』や、親が子供に対して『一流の大学を出て一流の企業に入ってくれる事を期待しています。』
といった使い方がされます。
「信頼」とは?
「信頼」とは、信じて頼りにすること、頼りになると信じること、またその気持ちを指す言葉です。
「信頼」と言う言葉は、例えば『私は子供の事を信頼しています。』や、上司が部下に対して『君のことを信頼している。』
の様に使われます。
「期待」と「信頼」の違い
それぞれの言葉は、辞書によれば上記の意味であり、何となく違いを感じる事が出来ます。
しかし、やはりその違いがスッキリしない気もします。
それは、両言葉は相手に対する気持ちや想いを表現する場合に使われるもので、言葉としてより実際の気持・行為・行動として意味をはき違えてしまう事が多いからと言えるでしょう。
自分と相手の関係で違いを考えると、「期待」は相手のことを考えずに、自分の都合で相手に動いてもらう気持ちが強いと言えます。
相手に「期待」して要望したことが、相手の能力から考えて、可能か否か等は無視する傾向が生じやすいのです。
そして「期待」に応えられなければ、がっかりすると共に時には怒り出したりするものです。
こうした「期待」は、どうしても過大な「期待」となりがちで、親が子供の進学の際に抱いたり、上司が部下に対して抱きやすいと言えるのです。
それに対して「信頼」は相手を信じることから生まれる感情・気持・行為であり、無理な要求をすることも少なく、要望したことを拒まれても、それはそれで良しと受け入れることができるのです。
「信頼」出来る相手とは本当は極めて少なく、先に記載した様に、自分の子供に対する接し方でも「信頼」よりも「期待」が強くなってしまうことが少なくないのです。
また先に例として上げた、上司が部下に『君のことを信頼しているからね』と言う場合には、部下の中では相対的に「信頼」度が高いのでしょうが、それ以上に「期待」の気持ちがこもったものと言えるでしょう。
それだけに、その部下が失敗したりすると『信頼を裏切られた』と言ったりしますが、これはむしろ「期待」が裏切られた場合の反応と言えます。
この例のような使い方が、「期待」と「信頼」を混同しやすい言葉としてしまっているのです。
まとめ
「期待」とは、あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること、当てにして心待ちにすることを意味する言葉です。
一方の「信頼」とは、信じて頼りにすること、頼りになると信じること、またその気持ちを指す言葉で、両言葉は明らかに違うのです。
しかし何となく「期待」と「信頼」が混同しやすいのは、人は往々にして「信頼」しているとしつつ、むしろ「期待」していることが多いためなのです。