この記事では、「本百姓」と「地主」の違いを分かりやすく説明していきます。
「本百姓」とは?
「本百姓」は、江戸時代初期に生まれた働き方の一つで、自分の土地を持ち年貢として自分の土地で作成した農作物を収めていた農家の方です。
自分の土地を持っている者を「本百姓」、持たずに第3者から田畑を借りている者を「小作人」と呼びます。
「本百姓」の使い方
「本百姓」は、現在では専業農家などという言葉に置き換えて自分の土地を持つ農家の方であるとしますので、「本百姓」という場合は、江戸時代の農家の方を言い表す場合において使用する言葉です。
「地主」とは?
「地主」は江戸時代の後期に誕生した働き方の一つで、「地主」は、自分の土地をあえて第3者に貸し出してそこから土地の利用料及び年貢を第3者からもらい受けようと考えたのがこの「地主」という働き方です
「地主」の使い方
「地主」は、現在では、土地の所有権を持つ人物を指し、不動産屋などが「地主」という言葉を使用して土地所有者であるとします。
「本百姓」と「地主」の違い
「本百姓」と「地主」の違いは、働き方に違いがあり、「本百姓」という働き方から派生したかどうかが異なります。
というのも、自分で作物を育て上げ、年貢を納めるという考え方よりもあえて土地を所有することにのみ重きを置き、土地を購入し続けあえてその土地を第3者に貸し付けるという形でビジネスを行った方が自己の利益につながるという考えから派生したのが「地主」です。
その為、「地主」は現在で言う不動産所有者で、土地を課すことで収益を得るため、違いは、「地主」は自らは商売はせず、第3者が商売をしてその利用料を徴収するという違いです。
「本百姓」の例文
・『本百姓は今でいう、専業農家です』
「本百姓」という働き方は江戸時代に生まれ、生まれ持って土地を持つものとそうではないものを分けるために生まれました。
「地主」の例文
・『ここら辺の土地は地主である○○様の土地だ』
「地主」は、土地を所有する人物に当たり、この例では○○という人物が所有している土地がこの一帯であるとしています。
まとめ
「本百姓」と「地主」の違いですが、働き方が異なります。
本来「本百姓」は江戸時代においては土地を持っているのですが、だんだんと農家をやることが嫌になり、商人になりたいと願うものが増えると土地を手放すものが現れました。
この時代は商人という選択肢が農家という選択肢よりも楽であると考えるものが多くなり、事業化となるために土地を売るという物が横行したのです。
そこに目をつけたのが「地主」という考えで要は、江戸時代の土地の所有者の土地を買取、「小作人」に与え、土地の利用料と年貢を代わりに収めさせたのです。
なお、「小作人」は借金などで田畑を手放した農民であるため商人に転身することに失敗した人物でもあり貧富の差を利用することで「地主」は江戸幕府に収める年貢と自分の取り分を確保したのです。
自分の取り分とは、自分が食べていくために必要な取り分を意味し、それとは別に幕府に収めるものを年貢として第3者から取り立てたということです。
なお「水呑百姓」は、現在で言うアルバイトという立場であるため、実は土地代を支払ったり、年貢を納める必要性が無いため、実はアルバイトで様々なお仕事をしていた方の方が江戸時代では小作人よりもお金持ちだったりしたケースも多いです。