この記事では、「本質」と「真実」の違いを分かりやすく説明していきます。
「本質」とは?
「ほんしつ」と読み、物事の根本的な性質や要素のことを指します。
そのものの、本来の姿を表しています。
また、哲学では、存在するものの基底や本性をなすものという意味があります。
「本質」の使い方
ものごとの根本的なことについて触れるときに使います。
「本質をつかむ」、「本質が理解される」などと、使用します。
また、「本質的な」ということも多くあります。
「真実」とは?
「しんじつ」と読み、嘘や偽りではない、本当のことという意味です。
「真」は、嘘や偽りがないこと、本当のところという意味があり、「実」には、うそ偽りのないこと、本当のところという意味や、誠実な気持ちや真心という意味があります。
この二つの漢字の組み合わせで、嘘ではない、本当のことという意味の言葉です。
「真実」は、「事実」と同じような意味ですが、「事実」は現実に起きていることに対して使用します。
それに対し、「真実」は起きたことに対する、自分なりの解釈が入ることが多くなります。
人間が社会的存在であることから、殆どの場合、その解釈はほかの人と共有できる、ある程度社会性のあるものになります。
しかし、解釈がほかの人とかけ離れたものになる場合もあります。
また、個人的な主観が許されない場合もあります。
その場合には、「真実」とされないこともあり、ほかの人から見ると、嘘になってしまう危険も孕んでいます。
仏教用語で「真実」といった場合には、究極のもの、絶対の真理、真如(しんにょ)という意味になります。
「真実」の使い方
「真実は」、「真実だ」のように使います。
事実に対する偽りのない解釈を、行うときなどに使われます。
人が解釈を語るときに、「真実を告白する」などといいます。
「本質」と「真実」の違い
「本質」は、ものごとの根本的な性質や要素のことを指します。
それに対し、「真実」は、うそや偽りではない、本当のこと、事実に対しての解釈という意味になります。
「本質」には、解釈という意味はとくにありません。
また、「本質」は、英語にすると“essence”で、根本的な要素という意味があります。
要素は、ものごとを成り立たせるもとで、それ以上には簡単なものにできないという意味です。
「真実」は、要素というよりは、本当のこと、嘘がないことという意味で、主観的な解釈が入る言葉です。
「本質」の例文
・『本質を理解している人ほど、寡黙になりがちです』
・『とてもおしゃべりな男なのに、本質的な部分に関しては口をつぐんでいる』
・『ものごとの本質を見極める目を持っている人のことは、侮れない』
・『何年経っても、あの人の本質が分からない』
「真実」の例文
・『真実は一つしかありません。謎を解明しましょう。』
・『真実を確かめてから、また出直します』
・『あの子はまだ、真実の愛を知らない』
まとめ
この二つの言葉は、意味が似ています。
違いを知って、使い分けてください。