「栄光」と「光栄」は同じ漢字の並びが違うだけで、響きや言葉のイメージがよく似ています。
また、「光栄の至りです」「彼らに栄光あれ」など、大仰な言い回しがあり、どちらの言葉を使うべきか混乱する人がいるかもしれません。
しかしこの二つの言葉は異なる意味を持ち、使い方も違います。
この記事では、「栄光」と「光栄」の違いを分かりやすく説明していきます。
「栄光」とは?
「えいこう」と読み、二つの意味があります。
(1)輝かしいほまれや、大きな名誉、光栄なこと、(2)幸いを表す光やめでたい光、瑞光(ズイコウ)を意味するときがあります。
まぶしいほど光り輝いているイメージです。
似た言葉に、栄誉、名誉、全盛、栄え、繁栄、名望、誇り、などがあります。
「栄光」の使い方
「栄光」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『日本代表が、初めて金メダルの「栄光」に輝きました』
・『神の「栄光」あれ、と人々は彼らを祝福しました』
・『いま、優勝の「栄光」は彼らの手にあります』
・『あの人は過去の「栄光」が忘れられないようです』
・『なんとしても「栄光」を勝ち取りたいという気持ちでのぞんでいます』
「光栄」とは?
「こうえい」と読み、二つの意味があります。
(1)業績や行動を人に認められたり、重要な役割を任されたりして、名誉に思うことです。
また、(2)栄えることや、栄えさせることを意味するときもあります。
「光栄」の使い方
「光栄」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『尊敬する先生にお褒めいただき、「光栄」の至りです』
・『身に過ぎて「光栄」なことと、思っております』
・『私ごときが、そのような大任に仰せつかり、身に余る「光栄」です』
・『お会いできて「光栄」です』
・『お役に立てれば「光栄」に存じます』
・『このような賞をいただき、大変「光栄」です』
・『私はこの度、恐縮ながら、受賞の「光栄」に浴しました』
「栄光」と「光栄」の違い
それでは「栄光」と「光栄」の違いを、改めて整理してみましょう。
いずれも「名誉」「ほまれ」という共通のキーワードがあります。
しかし「栄光」が「輝かしい名誉」そのものを意味するのに対して、「光栄」は「名誉に感じること」をいいます。
よって勝利に輝くのは「栄光」であって、「光栄」ではありませんし、褒められて喜ぶときは「光栄」の至りで「栄光」ではありません。
ときに例外があります。
例えば19世紀にイギリスがとっていた外交上の政策を「栄誉ある孤立」、「栄光ある孤立」、「光栄ある孤立」などさまざまに訳され、間違いとはされません。
しかし基本は「栄光」は「名誉」、「光栄」は「名誉に思うこと」と覚えましょう。
まとめ
この記事では「栄光」と「光栄」の違いをみてきました。
どちらも「名誉なこと」に使われる大切な言葉ですが、「名誉そのもの」か「名誉に思うこと」かという違いがあります。
意味を正しく理解して間違えないようにしましょう。