この記事では、「楽隠居」の意味を分かりやすく説明していきます。
「楽隠居」とは?意味
官職や家業などから離れて、生活の苦労をすることなく静かに暮らすことです。
隠居とは、官職や家業などから離れて、ゆったり穏やかに暮らすことをいいます。
楽は、たのしむ、たやすいという意味を持つ漢字です。
こういったことから「楽隠居」とは、官職や家業などから離れて、ゆったり穏やかに楽しんで暮らすことという意味になります。
会社勤めをしている人は、定年を迎えると仕事から離れて、静かに暮らすことがあるでしょう。
しかし、このことを「楽隠居」とはいいません。
「楽隠居」の概要
重要な仕事をしていたり、家業を持っていたりすると、仕事をしている間は忙しく、心身共に負担になることでしょう。
人間は年をとります。
年をとると以前のようには仕事ができなくなり、仕事から離れる人が少なくありません。
そして、心穏やかに静かに暮らすのです。
そのさまを意味する言葉です。
呉服店を家業としている人のことで説明をします。
仮にこの人をAさんとします。
Aさんは一代で呉服店を築きました。
最初は小さな店でしたが、どうすればお客さんに喜んでもらえるだろう、どこから仕入れるといいだろうなど、いろいろと考えながら仕事をし、店を大きくしていきました。
今は70代をむかえようとしています。
呉服の説明をお客さんにすることが今の主な仕事なので、それほど体力は必要としませんが、やはり体力的につらいものがあり、そろそろ仕事はやめようかなと考えています。
この人には子どもがいて、呉服店の仕事を手伝っています。
この子どもに仕事を任せても大丈夫だろうとAさんは思っています。
そこで、自分は引退をして、子どもに仕事を任せることにしました。
呉服の知識はすべて子どもに伝えてあるので、何も心配することはありません。
自分は仕事から離れて、安心して過ごすことができます。
こうしてAさんは、仕事から離れて、静かに楽しく暮らす生活を送るようになりました。
このときのことが、この言葉が意味するものです。
仕事から離れていても、生活が慌ただしかったり、気持ちが乱れることが多々あったりするような場合は、この言葉が意味するものではありません。
「楽隠居」の言葉の使い方や使われ方
隠居をして楽しく暮らすという意味で使用をします。
隠居をしても楽しく暮らしていない場合は、この言葉は使用しません。
また、会社勤めの人が仕事を辞めて静かに暮らすことにも使用しません。
「楽隠居」の類語や言いかえ
「安楽」が似た意味を持つ言葉です。
生活に苦労をすることなく、楽しく過ごすという意味があります。
仕事から離れてという意味は含まれておらず、仕事をしながら楽しくすること、仕事を離れて楽しくすることも意味します。
まとめ
若いころはバリバリと働いていた人も、いずれ仕事から離れるときがきます。
家業などから離れて楽しく暮らすことが、この言葉が意味するものです。