「概念」と「理念」の違いとは?分かりやすく解釈

「概念」と「理念」の違い違い

この記事では、「概念」「理念」の違いを分かりやすく説明していきます。

「概念」とは?

「概念」とは、物事の概括的な意味・内容を指す言葉です。

物事についての大まかな知識や理解、または理解している物事に共通している特徴と言う事になります。

『彼の作品は文学の概念から外れている。』『私達は犬とはどういう動物かと言う概念を理解している。』のように使われます。

さらに辞書には、哲学上の「概念」として、事物の本質をとらえる思考の形式。

個々に共通な特徴が抽象によって抽出され、それ以外の性質は捨象されて構成される。

内包と外延をもち、言語によって表される事を指すとされています。

哲学的には色々と難しい意味合いで使われる事のある言葉ですが、私達は物事を「概念」で捉えて認識し、その共通認識を基に、相互のコミュニケーションを図ったりしていると言えるのです。


「理念」とは?

「理念」とは、ある物事についての、こうあるべきだという根本の考えを意味する言葉です。

『憲法の理念を尊重・順守する。』や『これが当社の経営理念です。』のように使います。

また「理念」は、哲学においては、プラトンのイデアに由来して、純粋に理性によって立てられる超経験的な最高の理想的概念の意味とされています。


「概念」と「理念」の違い

「概念」「理念」には、それぞれ哲学上での難しい意味もありますが、ここでは一般的に使われている言葉の意味の違い等について説明したいと思います。

「概念」とは、物事の概括的な意味・内容を指す言葉であるのに対し、 「理念」とは、ある物事についての、こうあるべきだという根本の考えを意味する言葉です。

例えば、「概念」は先に記載した犬とはどういう動物かと言った認識や、最近話題となっているITとは何かと言った認識の軸となる事を指し、一般的には大きな枠組みや抽象的なものに使われる事が多い言葉です。

それに対して「理念」も抽象的な考え方に使われる事が多い言葉ですが、『企業理念』に見られるように、あるべき姿の根本を表わすもので、その中には理想的な意味が含まれる事も少なくありません。

この様に、「概念」は総括的な意味や内容を指しますが、その意味や内容は客観的なものであり、理想的なものは全く含まれていません。

それに対して「理念」の方は、あるべき姿の根本を示すもので、総括的であっても、そこに理想的な内容が含まれているのです。

この点が、2つの言葉の大きな違いと言えるのです。

まとめ

「概念」とは、物事の概括的な意味・内容を指す言葉であるのに対し、 「理念」とは、ある物事についての、こうあるべきだという根本の考えを意味する言葉です。

すなわち、「概念」は総括的な意味や内容を指しますが、その意味や内容は客観的なものであり、理想的なものは全く含まれていません。

それに対して「理念」の方は、あるべき姿の根本を示すもので、総括的であっても、そこに理想的な内容が含まれているのです。

この点が「概念」「理念」の大きな違いと言えます。

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