「機運を醸成する」とは?意味や使い方を解説

ことわざ・慣用句

「機運を醸成する」

「機運を醸成する」「きうんをじょうせいする」と読みます。

堅い表現ということもあり、日常会話ではあまり使わない言葉ですが、ビジネスで使われたり、文章などで目にすることが時々はあるのではないでしょうか。

「機運を醸成する」の意味

「機運」とは、「時の巡りあわせ」「何かをするのに良い時期」といった意味を持つ言葉です。

一方、「醸成」は、「発酵させて酒や醤油を作る」という意味がよく知られていますが、「ある状態が徐々に作り出されること」という意味もあります。

「機運を醸成する」という表現になると、「雰囲気を作り出す」「ムードを生み出す」といった意味合いになります。

「機運を醸成する」の言葉の使い方

ものごとを行うのに適した雰囲気を作り出す、機運を盛り上げる、といった時に使われる言葉です。

「大運動会を開催する機運がまだ醸成されていません」「社内のIT化を進める機運が醸成されてきました」といった使い方をします。

「機運を醸成する」を使った例文・短文(解釈)

「機運を醸成する」の意味と使い方が分かりましたので、ここではこの言葉を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

「機運を醸成する」の例文1

「新たなご当地グルメを開発しないかと地元の飲食店に打診していますが、反応は今ひとつです。機運が醸成されるのを待つしかないでしょう」

観光客を呼ぶために、各地でご当地グルメの開発が行われています。

人気が出れば、それを目当てに多くの観光客が訪れることもあるのです。

しかし、日常の業務で忙しい飲食店では、開発に時間を割くのが難しく、新しいメニューに取り組むことに消極的になるケースもあるといいます。

全国各地にあるご当地グルメですが、その開発には、大変な苦労が伴うのでしょう。

「機運を醸成する」の例文2

「部署対抗歌合戦の開催が来週に迫ってきました。すでに機運は醸成されていて、社内では早くも盛り上がりを見せています」

通常業務の合間や業務後に練習をしなくてはいけないようなイベントの場合、社内の空気が盛り上がらなければ、イベントは成功しません。

しかし、社員が意欲的に取り組んで、全員が楽しめるような雰囲気が出来上がっているということは、日頃からチームワークが良く、就業時間外の練習に参加することも苦にならないくらい社内の雰囲気も良い会社なのだということが推測できます。

こういった会社では、恒例のイベントが幾つもあり、通常業務では接点がない人ともコミュニケーションをとることができるのです。

「機運を醸成する」の例文3

「プラスチックゴミ削減の必要性が叫ばれています。今はまだ対策に乗り出す企業は少ないようですが、機運が醸成されれば、すぐに広がりをみせるでしょう」

プラスチックゴミを減らさなくてはいけないことは理解していても、それにより今よりも不便になったり、コストが高くつくようになるなどの理由から、すぐに対策に乗り出すようなムードにはなっていないのが実情なのでしょう。

社会全体で問題の深刻さを理解し、不便になっても仕方ないと思えるような空気を広げることが大切なのです。

「機運を醸成する」の例文4

「トレイルランニングのイベントを開催することになりましたが、このイベントをスムーズに運営するためには、住民の協力が不可欠です。今は機運を醸成することに専念してください」

アウトドアイベントが人気で、各地で新たなイベントが開催されていますが、多くの人が集まることに慣れていない地域では、地元住民の協力のもと、受け入れ態勢を整えなくてはいけません。

そのためには、地元の人々が積極的にイベントに関わりたいと思うような雰囲気作りが重要になってくるのです。