この記事では、「死刑」と「極刑」の違いを分かりやすく説明していきます。
「死刑」とは?
「死刑」とは、文字通り犯罪を犯した対象者に死を与える刑罰を指す言葉です。
現在、日本での刑罰は、死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料、没収の7種類があり、最も重い刑罰であると共に、唯一身体・生命に罰を加える生命刑となっています。
日本では「死刑」は絞首刑の形で行われていますが、世界では絞首刑の他に、電気椅子やガス室や薬殺や銃殺など色々な方法で執行されています。
また「死刑」は人が人を裁き、死を与える事は様々な点から、行うべきでないと言う世界的な潮流もあり、次第に「死刑」の制度が廃止されたり、制度としては残っていても執行されず、実質的に廃止に近い状態となっている国も増えています。
日本でも「死刑廃止」を主張する人も少なくありませんが、殺人罪等の抑止効果や、遺族感情等から存続を主張する声も大きく、非常に難しい問題となっています。
しかも「死刑」に対しては、宗教をベースとした死生観の違いも底流にあり、一概に「死刑廃止」がどこの国でも正義とは考えられおらず、この問題の奥深さが感じられる点と言えます。
「極刑」とは?
「極刑」とは、その国で重罪に科される最も重い刑罰を指す言葉です。
日本では現在「極刑」は「死刑」であり、日本においては同じ意味の言葉となります。
しかし「死刑」を廃止している国では、「終身刑」が「極刑」となっているのが一般的です。
従って、必ずしも「死刑」=「極刑」ではないのです。
蛇足ですが、日本では「死刑」の次に重い刑が「無期懲役」ですが、これは30年以上の不定期の懲役刑であり、仮釈放される事もあり、決して「終身刑」ではないのです。
「極刑」のあるべき姿や「死刑廃止」を論じる場合には、この点もしっかり理解しておくことが必要です。
「死刑」と「極刑」の違い
「死刑」とは、文字通り犯罪を犯した対象者に死を与える刑罰を指す言葉です。
一方の「極刑」は、その国で殺人等の重罪に科される最も重い刑罰を指す言葉で、必ずしも同じ意味の言葉ではありません。
しかし日本で最も重い刑罰が「死刑」である事から、「死刑」=「極刑」となりますが、「死刑」を廃止して最高刑が「終身刑」の場合には、「終身刑」=「極刑」となります。
日本では以上の様に「死刑」と「極刑」は同じ意味ですが、「死刑」と言う表現が、少し露骨で残酷な印象を与えるため、それを避けた表現にしたい場合に「極刑」の言葉が使われるのが多いと言えます。
まとめ
「死刑」とは、犯罪を犯した対象者に死を与える刑罰を指す言葉で、一方の「極刑」は、殺人等に対して科されるその国で最も重い刑罰を指す言葉で、必ずしも同じ意味の言葉ではありません。
しかし日本の最も重い刑罰が「死刑」であるため、日本では「死刑」=「極刑」となります。
「死刑」と「極刑」が同じ意味である日本で、あえて「極刑」と言う言葉が使われるのは、「死刑」が露骨で残酷な表現だと、使う事に躊躇される場合に、表現を和らげる目的て使われるのが一般的です。