この記事では、「気になる」と「気にする」の違いを分かりやすく説明していきます。
「気になる」とは?
「気になる」とは、ある物事が心に引っかかること、気付くとそのことが心にある状態です。
「気」は意識や心の動き、「なる」は物事が何かに作用する、物事が起こることを指す言葉であり、「気になる」はある物事を意識するときの気持ちの動きを表します。
「気になる」は、さまざまな心の動きを示している言葉で、大きく分けると「心配する」「興味を持つ」「しっくりこない」の3種類があります。
心配することを意味する「気になる」は、対象となる人や問題を案じて気にかける様子を指します。
「興味を持つ」という意味の「気になる」は、対象となる人や物を意識すること、もっと知りたいと思うことです。
恋愛においては、相手に好意を持つというニュアンスで使われます。
また、しっくりこない、共感できないと感じることは「どうも気になる」といった言い回しをします。
いずれも、考えまいとしても思い出して意識してしまう心の動きを指しています。
「気になる」の例文
・『最近あまり笑顔を見せなくなった友人の様子が気になる』
・『このオムライスが食べたいけど、こっちのドリアも気になるのよね』
・『実は最近、気になっている人がいるんだ』
・『彼の嘘をついているような口ぶりが気になる』
「気にする」とは?
「気にする」とは、ある事に心を留めて不安がること、心配することです。
「気」は、心の動きという意味を持つほか、心配することを指しています。
「する」は意図的にある動作をおこなうことを指しており、「気にする」は、ある問題にあえて心を留め、不安がったり心配したりする様子を表しています。
「気にする」は、ある物事に対し「大丈夫だろうか」「悪いことではないか」と不安がる気持ちを指しています。
どちらかといえば、それほど大した問題ではないにもかかわらずあれこれ心配するニュアンスです。
言い換える場合は「気を揉む」や「懸念する」を使うとよいでしょう。
どちらもあれこれ心配する、不安がるという意味を持ちます。
「気にする」の例文
・『人目を気にして、ハンバーガーを食べるときは大きな口を開けないようにする』
・『失敗は誰にでもよくあることだから、あまり気にしないほうがいいよ』
「気になる」と「気にする」の違い
「気になる」と「気にする」の違いを、分かりやすく解説します。
「気になる」と「気にする」は「ある物事を意識すること」を指す言葉です。
違いを見てみると、まず文法上で「気になる」が自動詞で「気にする」が他動詞という点が異なります。
また「気になる」は、「心配する」「しっくりこない」などのネガティブな意味と「興味(好意)を持つ」といったポジティブな意味の両面を持ちますが、「気にする」は「不安がる」というネガティブな意味しか持たないところも異なっています。
そのほか、「気になる」は考えまいとしても自然に意識してしまう、「気にする」は意図的に意識するといった違いもあります。
両者はよく似ていますが、このようにニュアンスや使われる状況に違いがみられます。
まとめ
「気になる」は「自動詞」、「気にする」は他動詞という関係性があり、互いの持つ意味はよく似ています。
そのため、前後の文の流れからニュアンスをくみ取って使い分けることが大切です。