「江戸前」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「江戸前」とは?意味と使い方

寿司屋などでよく見る「江戸前」とはどのような意味なのでしょうか。

今回は「江戸前」の意味と類語について解説します。

「江戸前」とは?意味

「江戸前」とは、「江戸と呼ばれていた地域でとれた食材やそのような食材を使ってつくられる料理」を意味する言葉です。


「江戸前」の概要

元々の「江戸前」「江戸の前に広がる海」つまり現在の東京湾を意味する言葉でした。

戦国時代以前の江戸は関東地方の幼少ではありましたが発展度合いとしては都が置かれた今日や経済の中心地である大阪とは比べ物にならない一地方都市にすぎず、東日本においても駿府や小田原よりも重要度の低い場所でした。

ただの一地方都市にすぎなかった江戸ですが徳川家康が幕府の本拠地を江戸において以降、世界でもまれに見る急激な発展を遂げます。

日本中から人と金が集まる江戸では人々の腹を満たすために食文化が発展します。

新たな料理や調味料が次々と開発される中、江戸でとれる地場食材として誕生したの概念が「江戸前」です。

江戸の海でとれた魚を意味する「江戸前」は江戸時代の魚食文化の発展とともに一種のブランドとして広く認知されるようになります。

「江戸前」といえば新鮮で質のいい魚を意味するようになり、そのような食材を使ってつくられた料理も「江戸前」と呼ばれこれまで料理文化の中心として発展してきた「京料理」とは異なる独自の進化を遂げていきます。

現在でも「江戸前」という言葉は人々の暮らしに根付いており東京湾でとれた魚や東京地域で発展してきた料理技法を指す言葉として浸透しています。

「江戸前」の定義についてはいくつかの見解がありますが、魚介類については「三浦半島と房総半島をつなぐ浦賀水道よりも内湾でとれた魚介類」「江戸前」とするのが一般的です。

「江戸前」の料理として有名なものとしては「握り寿司」「天ぷら」「せいろそば」などが有名です。

どれも江戸時代に発明された料理で、全体的な傾向として砂糖と醤油を聞かせた甘辛い味つけが特徴です。

本来の意味からすると東京湾でとれた魚を使った料理だけが「江戸前」ですが、現在では調理技法や味つけが伝統に沿ったものであれば食材の産地を問わず「江戸前」としています。


「江戸前」の言葉の使い方や使われ方

・『江戸前の寿司を堪能する』
・『魚は江戸前にこだわっている料理屋で食事を楽しむ』
・『江戸前の味つけが懐かしい』
・『江戸前の魚は高級品である』

「江戸前」の類語や言いかえ

・江戸風
「江戸の風情が感じられる」という意味合いの言葉です。

「江戸のやり方に従って作られたもの」という意味もあり料理に用いる場合は「江戸前」とほぼ同じ意味合いになります。

・関東風
「関東地方の雰囲気ややり方」を意味する言葉です。

「江戸前」とは本来全く違うものを指す言葉ですが東日本都西日本でざっくりと分けられたときに関東地方を代表する「江戸前」がほぼ同じ意味合いで使われることがあります。

・東京湾産
「東京湾産でとれた海産物」を意味する言葉です。

本来の「江戸前」よりも広い漁場を指しますが現在ではほとんど同じ意味合いの言葉です。

まとめ

寿司屋や料理屋などでよく見かける「江戸前」という言葉ですが具体的な意味や定義についてはあまり知られていません。

言葉の意味をしっかり理解した上で江戸の風情を楽しんでください。

意味と使い方
意味解説辞典