「沽券にかかわる」とは?
「沽券にかかわる」という慣用句の表現は、「その人の体面・評判・品位に差し障りがあること」や「プライド・矜持・自負心が傷つけられるさま」を意味しています。
「沽券にかかわる」の「沽券(こけん)」とは元々、「土地・建物などの売り渡し証文」や「売券(うりけん)・沽却状(こきゃくじょう)」を意味していて、江戸時代には「土地・建物などの売値」を意味するようになりました。
時代が下るにつれ、「沽券」の新しい意味として「体面・プライド・品位・人としての値打ち」などの意味が生まれたのです。
「沽券にかかわる」の読み方
「沽券にかかわる」の読み方は、「こけんにかかわる」になります。
「沽券にかかわる」の表現の使い方
「沽券にかかわる」の表現の使い方は、「何らかの問題(トラブル)が起こって、体面・評判・品位に差し障りがあると感じた場合」や「自分のプライドが傷つけられるような事態が起こった時」などに使うという使い方になります。
例えば、「自分の大工仕事がお客様に納得してもらえないというのは、プロの大工として沽券にかかわる問題です」といった文章で使用することができます。
「沽券にかかわる」を使った例文と意味を解釈
「沽券にかかわる」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「沽券にかかわる」を使った例文1
「子供の無礼や非行は、その子を育ててきた親の沽券にかかわる問題です」
この「沽券にかかわる」を使った例文は、「子供の無礼・非行は、親の品位・体面に差し障りが生じる」という意味で、「沽券にかかわる」の表現を使っています。
「沽券にかかわる」を使った例文2
「お客様に美味しかったと言ってもらえるかどうかは、プロの料理人の沽券にかかわります」
この「沽券にかかわる」を使った例文は、「沽券にかかわる」の表現を、「プロの料理人のプライドが傷つくことに関係する」といった意味合いで使用しています。
「沽券にかかわる」の類語や類義語
「沽券にかかわる」の類語・類義語を紹介して、その意味を説明していきます。
「プライドが傷つく」【プライドがきずつく】
「沽券にかかわる」という表現は、「プライドや自負心が傷つくこと」を意味しています。
この意味合いから、「沽券にかかわる」とほぼ等しい意味合いを持つ類語(シソーラス)として、「プライドが傷つく」を指摘できます。
「立つ瀬がない・示しが付かない」【たつせがない・しめしがつかない】
「立つ瀬がない」という表現は、「立場を失って苦境に陥ること」や「面目を失って居心地の悪い思いをすること」を意味しています。
「示しが付かない」というのは、「自分の立場・身分にふさわしい結果が出せず面目が立たないこと、説得力がないこと」を意味しています。
それらの意味から、「沽券にかかわる」に近しい類義語として、「立つ瀬がない・示しが付かない」を上げられます。