死者や魂などの「浮かばれない」とは?意味や使い方、例文や意味を解釈

「浮かばれない」意味と使い方

この記事では、「浮かばれない」の意味を分かりやすく説明していきます。

「浮かばれない」とは?意味

苦労や努力、死者の無念が報われない、という意味。


「浮かばれない」の概要

「浮かばれない」とは、過去の努力や苦労が報われない、無念が晴れないことを哀れむ言葉です。

主に、死者の霊が「成仏」【じょうぶつ】できないこと、霊の無念が晴れないまま現世をさまよっている様子を指します。

「浮かばれない」「浮かぶ」の否定形です。

「浮かぶ」は、上のほうへ移動する、死者の魂が成仏する、世に出る、などの意味を持ち「浮かばれない」はそれらの意味を否定する形になります。

日本には、仏教の影響を受け「人は死んで肉体が滅びると体から霊魂が抜け、その霊魂が極楽に行って安らかに過ごすもの」ととらえ、先祖の霊を手厚く供養する風習があります。

霊魂がこの世への未練を残すことなく極楽へ上がっていくことを「成仏」といいますが、亡くなった無念や現世への強い未練がある者は成仏できないと考えられてきました。

「成仏」をすることは「浮かぶ」ともいいますが、反対に霊魂が極楽に昇天できず下界にとどまっている様子は「浮かばれない」と呼ばれているのです。

また一般的な話題の中で、努力や苦労をしたのに報われない、理不尽な目に合っていることに対し「浮かばれない」という表現を用いることがあります。


「浮かばれない」の言葉の使い方や使われ方

「浮かばれない」は、報われないことに対してあわれみや同情の気持ちを向けるときに用いる言葉です。

故人に対し「成仏できない」「この世に強い未練を残すこと」を指します。

また、努力や苦労が報われないことを指すときに使われます。

「浮かばれない」は、主に故人をしのぶときに使われます。

ただし「成仏」はあくまでも概念であり、実際に故人が極楽に行ったのか、それともこの世に未練を残しているのかは誰にも分からないことです。

つまり「浮かばれない」は、この世に残されている人が「この状態では、故人も安心してあの世に行けないのではないか、このままでは死にきれないのではないか」と想像し、悔やむ気持ちを表します。

たとえば「兄弟でみにくい相続争いをしては、亡くなった父も浮かばれないだろう」といった使い方をします。

また、目標を達成するため苦労や努力をしたのに、理不尽にも結果が得られない場合に「せっかく大会に向けて頑張ってきたの中止だなんて、練習してきた部員が浮かばれないよ」という言い方をします。

「浮かばれない」の類語や言いかえ

故人をしのぶ意味の「浮かばれない」「成仏できない」と同じ意味を持ちます。

苦労したのに結果が得られないという意味の「浮かばれない」「報われない」に言い換えることができます。

むしろ「努力が浮かばれない」より「努力が報われない」と言ったほうが自然に聞こえる場合も多いです。

まとめ

「浮かばれない」は無念が晴れない、苦労が報われないことを意味する言葉です。

主に死者の霊が成仏できないことを指します。

縁起の良くない「忌み言葉」にあたるので、葬儀では絶対に口にしないようにしましょう。

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