この記事では、「泣く」と「鳴く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「泣く」とは?
「泣く」には5つの意味があります。
1つめは、感情を抑えきれずに涙することです。
実際には涙を出さず、声だけを出す場合もいいます。
子どものころ、補助輪なしで自転車に乗れるように練習しているとき、何度も転んだ経験を持つ人は少なくないことでしょう。
転んだときに、声を出したり、涙を出したりした人もいるはずです。
これは、痛みがつらく、そのつらさをこらえきれないための行為です。
このような、感情を抑えられないことによる行為を意味しています。
2つめは、しみじみと深くつらさを感じること。
つらい思いを経験することです。
山の天気は変わりやすく、山登りをしているときに大雨にあってしまうことがあります。
悪天候の中、山を登るのはつらいです。
こういったとき「悪天候に泣く」などいったりします。
3つめは、無理であったり、損をしたりすることを知っていながら承知する。
しかたなく身を引くです。
4つめは、実際の内容とは大きくかけ離れていて、それと名乗ることに気兼ねするです。
名門校といわれながらも、実際にはそれほど生徒の成績がよくない場合、実際の内容と名前の隔たりがあるといえます。
そういったとき、その名を出すことに、はばかられる思いをすることがあります。
そういったさまを指しています。
5つめは、染料の加工の際に隣の染料や白地に色が溶けでることです。
「泣く」の使い方
感情表現の一種を指して使うことが多い言葉です。
「鳴く」とは?
「鳴く」には3つの意味があります。
1つめは、虫、鳥、獣などが声を出したり、羽や脚をこすり合わせて音を出したりすることです。
コオロギは羽をこすりあわせて音を出しています。
このさまを「コオロギが鳴く」といいます。
2つめは、物がきしんで音を立てるです。
砂浜によっては、歩いたり、砂を握ったりすると、音が出ることがあります。
これを「砂が鳴く」といいます。
3つめは、麻雀で他の人が捨てた牌をポンやカンすることです。
「鳴く」の使い方
虫や動物が音を出すことを指して使われることが多いです。
「泣く」と「鳴く」の違い
読みはどちらも「なく」で同じですが、意味は違います。
前者の言葉は、人間の行為を指して使われることが多いです。
感情を出すことや、つらい思いすることなどをいいます。
後者の言葉は、人間以外のものが出す音を指しています。
カラスがカーカーいったり、猫がニャオといったり、砂がきゅっといったりすることです。
「泣く」の例文
・『泣くなよ』
・『そんな泣くことないのに』
・『あまりの恐怖に泣く』
・『泣くしなかい』
「鳴く」の例文
・『鳥が鳴く』
・『スズムシが鳴く』
・『セミが鳴く声がうるさい』
・『いくつもの鳥の鳴く声が聞こえる』
まとめ
読みは同じですが、2つの言葉の意味は異なります。
一方は人間の行為についてを主に指しており、もう一方は動物や物などが音を出すことを主に指しています。