「洗礼」と「洗練」の違いとは?分かりやすく解釈

「洗礼」と「洗練」の違い違い

「洗礼」「洗練」は、声に出して読んでみるとよく似た音をもつ言葉です。

この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、「洗礼」「洗練」の違いを分かりやすく説明していきます。

「洗礼」とは?

「洗礼」とは、キリスト教徒となるために教会が執行する儀式のことです。

「洗礼」では、全身を水にひたすか、または頭部に水を注ぐことによって罪を洗い清め、神の子として新しい生命を与えられるあかしとします。

また、「洗礼」には、その後に影響を与えるような初めての経験をすること、また、ある集団の一員となるためなどに、避けて通れない試練という意味もあります。

キリスト教の儀式がもとの意味で、そこから派生して他の意味を持つようになりました。

同じ読み方で「先例」という言葉がありますが、こちらは後の同類の事の判断基準・手本となる例のことです。

類義語としては、「受洗」「入信」があります。

「洗礼」の英訳は、“baptism”です。


「洗礼」の使い方

「洗礼を受ける」という形で使われます。

「洗礼名」は、キリスト教で洗礼に際して授けられる名前のことです。

クリスチャンネームともいわれます。

イエスの先駆者であり、ヨルダン川でイエスに洗礼を授けて人物は「洗礼者ヨハネ」と言われています。

「洗礼」は、本来宗教的な儀式を意味する言葉ですが、日本では多くの場合そこから派生した意味である「避けて通れない試練」を指して使われます。

神聖な儀式を意味する言葉をマイナスな意味として用いることについては、否定的な意見も多いようです。


「洗練」とは?

「洗練」とは、詩歌・文章の表現を推敲して、よりよいものにすることを意味する言葉です。

また、人柄や趣味などを、あかぬけのした優雅・高尚なものにすることという意味もあります。

「垢ぬける」は、容姿や動作、技芸などが粋ですっきりしていることを指す表現です。

「洗練」は、英語で“refining”といいます。

「洗練」の使い方

多くの場合、「洗練された」という形で用いられます。

人物や所作、見た目など様々な対象について使うことができる言葉です。

「洗礼」と「洗練」の違い

「洗礼」は、キリスト教の儀式や、避けられない試練という意味を持ち、「洗練」は、文章の推敲や、優雅・高尚なものにするという意味を持ちます。

「洗礼」「洗練」は、よく似た読み方ですが、全く違う意味を持つ言葉です。

「洗礼」の例文

・『私は、洗礼を受けてキリスト教徒になりました。』

・『野球部に入って最初の合宿で洗礼を受けた。』

・『新思想の洗礼を受ける。』

・『職場の新人歓迎会で一発芸をやらされ、さっそく洗礼を受けた。』

「洗練」の例文

・『彼のファッションは洗練されていて、かっこいい。』

・『あの作家が書いた文章は洗練されている。』

・『昨日泊まったホテルは、洗練されていて素晴らしかった。』

・『歴史に名を遺す詩人の書いた詩は、現代のものとは比べ物にならないくらい洗練されている。』

まとめ

「洗礼」は、儀式や試練、「洗練」は、あかぬけたものにすることを意味します。

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