この記事では、「漢方」と「薬膳」の違いを分かりやすく説明していきます。
「漢方」とは?
中国から伝わり、日本で発展をした伝統医学です。
漢方薬という薬を用いたり、衣食住を正したりしていきます。
中国から伝わってきた医学がもとになっていますが、日本人の体質や日本の気候にあわせて変化をし、独自に発展をしました。
「漢方」には、病気になってから治すのではなく、病気になる前の状態である未病の時点で治療をするという考えがあります。
頭が痛い、お腹が痛い、何となくだるいなど、病気というほどのものではないけれど、何となく調子がよくないといった状態が未病です。
西洋医学では治療対象としていないものも、治療の対象としています。
「漢方」の考えに気・血・水というものがあります。
気は体を動かすエネルギー、血は体に栄養を与えるもの、水は体をうるおすものです。
これらはバランスをとりあっており、バランスが崩れることが不調の原因だとされています。
「五臓」という考えもあります。
五臓とは、肝・心・脾・肺・腎のことで、西洋医学でいう各臓器の働きだけでなく、水分の調整、精神の働き、生命エネルギーの貯蔵などの働きもあるとされています。
「漢方」の使い方
中国医学をもとに日本で独自に発展した伝統医学を指して使用する言葉です。
「漢方」では生薬を配合した薬を処方することがありますが、「漢方」という言葉は薬を指しているのではなく、鍼灸や食養なども含めた医学を指しています。
「薬膳」とは?
中国医学の医食同源の考えから生まれた料理のことです。
体の調子にあった食材や生薬に利用される素材を使用した料理をいいます。
高価な食材を使うイメージを持たれがちですが、スーパーで購入できる食材で「薬膳」を作ることが可能です。
たとえば、体がほてっているときには、キュウリやトウガンなどのウリ科の植物がよいとされています。
これらの食材には熱を冷ます働きがあります。
クコは漢方薬に使用される食材ですが、スーパーなどでも購入できます。
血を補ったり、肝を養ったりする働きがあるとされています。
「薬膳」の考えを取り入れたレトルト食品も販売されており、自宅で手軽に食べることができます。
「薬膳」の使い方
中国の医食同源の考えから生まれた料理を指して使用する言葉です。
そのときの体調にあった食材を使用します。
「漢方」と「薬膳」の違い
「漢方」は中国医学をもとに日本で独自に発展した伝統医学です。
その中には、漢方薬、「薬膳」、鍼灸などが含まれます。
「薬膳」は料理のことです。
「漢方」の例文
・『薬剤師に漢方の相談をする』
・『漢方の勉強をする』
・『漢方の考えを取り入れた生活をする』
・『漢方で治療をする』
「薬膳」の例文
・『薬膳にはまっている』
・『自宅で薬膳を作る』
・『薬膳がおいしい』
・『教室に通って薬膳の勉強をする』
まとめ
2つの言葉が指しているものは、中国の医学の考えをもとにしています。
「薬膳」は「漢方」の考えに含まれるものです。