「無常を感じる」や「無常」とはどういう意味なのでしょうか? この記事では、「無常を感じる」や「無常」について分かりやすく説明していきます。
「無常を感じる」の意味とは?
「物事に対して、もの寂しさや儚さ、哀愁を感じる」という意味です。
「無常」の意味とは?
「この世の一切のものは移ろい、変化し、永遠に不変のものはない」という意味です。
また、「移ろい変わりゆくものの儚いさま」を意味することもあります。
そこから転じて、「もの寂しさ」や「儚さ」、「哀愁」を感じたときに「無常」が用いられるようになりました。
「無常」の由来
「無常」とは、仏教用語に由来します。
仏教では、「三相」と呼ばれる概念が教義の根底となっています。
「三相」とは、「無常」・「苦」・「無我」のことです。
仏教の開祖である「釈迦」は自身の説教において、
『一切の形成されたものは無常である(諸行無常)』
『一切の形成されたものは苦である(一切行苦)』
『一切の物事は無我である(諸法無我)』
と定義しています。
この世に存在する全ての物事は「三相」であり、これらによって人は苦しみ、これらを取り除くことによって人は苦しみから解放されると教えを説きました。
「無常」の対義語
仏教用語としての「無常」が「移ろい、変わりゆくもの」を指すのに対して、仏教用語としての「常住」は「不変のもの」や「常に存在すること」を意味します。
日用的な意味では、「ずっとそこに住んでいること」や「普段」、「日常」、「いつも」という意味を指します。
「無常」が用いられる四字熟語
・「諸行無常」:仏教用語で、「この世の万物は姿も本質も常に変化するもので、一瞬たりとも同一のものは存在しない」という意味です。
軍記物語である「平家物語」の冒頭部分の句である、「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」で有名です。
・「無常迅速」:仏教用語で、「現世における物事の移り変わりが極めて速く、また虚しいさま」という意味です。
また、人の一生の短さや死期が突然訪れることの例えとしても用いられます。
「無常を感じる」の使い方
花の一生や人の一生、出会い別れなど、物事の移り変わりに対して「もの寂しさ」や「儚さ」、「哀愁」を感じた時の言い換えの言葉として使われます。
「無常を感じる」を使った例文
・『咲いては散りゆく桜の花に無常を感じる』
・『人との一期一会の出会いや別れに無常を感じる』
・『夕暮れにかけて移り変わる空の色に無常を感じる』
・『この人物の短くも壮絶な人生に無常を感じる』
まとめ
「無常を感じる」とは、「物事に対して、もの寂しさや儚さ、哀愁を感じる」という意味です。
「無常」とは、仏教用語に由来し、「この世の一切のものは移ろい、変化し、永遠に不変のものはない」という意味です。
そこから転じて、移ろい変わりゆくものに対する「もの寂しさ」などの表現として用いられるようになりました。