この記事では、「無念の死」の意味を分かりやすく説明していきます。
お葬式にまつわる言葉を、おごそかに学んでいきましょう。
「無念の死」とは?意味
「無念の死」とは、志半ばで亡くなること。
やり残した仕事があるのに、途中で息絶えてしまう様子をあらわしています。
そうした状態で死を迎えることを「無念の死をとげる」と呼んでいます。
「生きていれば、もっと色々なことが出来たのに…」と惜しまれるときに使われています。
「無念の死」というフレーズには「無念」と「死」という2つの言葉が織り込まれています。
無念には2通りの意味があります。
ひとつは悟りの境地にいて、俗世間を振りかえらないこと。
もうひとつは、悔しくてたまらない心境です。
「無念の死」では後者の「深い悲しみ、心残り」が込められています。
亡くなった方の心情を思いやり「悔しいでしょう」と語りかけているのが「無念の死」というフレーズです。
「無念の死」の概要
「無念の死」は事故や事件によって、大切な人を亡くしてしまった遺族がつかいます。
生きていればまだまだ楽しい思い出に浸ることもできたのに、突然の出来事によって、その命を奪われてしまうのが「無念の死」です。
日本には「大往生をとげる」という言い方があります。
この言葉には、天寿をまっとうするように安らかに亡くなるという訳があります。
この「大往生をとげる」の正反対の言葉が「無念の死」です。
その人の思いとは別に、途中で命が燃え尽きてしまう様子をあらわしています。
そのため闘病中に亡くなること、飲酒運転の事故に巻き込まれて命を落とすこと、地震などの災害で帰らぬ人となることを「無念の死」といっています。
その人はもとより、のこされた遺族にとっても辛い状況をあらわしています。
「無念の死」の言葉の使い方や使われ方
「無念の死」はこのように使います。
・『突然の噴火によって、多くの人が無念の死をとげた』
・『父の無念の死を無駄にしないよう、生きていきたいと思います』
・『これからの活躍が期待される中での、無念の死だった』
「無念の死」には、惜しまれて亡くなるというニュアンスがあります。
そのため大切な人を不意の事故や災害で亡くしたとき、お葬式にまつわるシーンで使います。
哀悼の意味もあるのが「無念の死」です。
「無念の死」の類語や言いかえ
「無念の死」はこのような言葉に置きかえできます。
・志半ばで命を落とす
・夭逝する
・急逝する
夭逝(ようせい)とは、若くして亡くなること。
才能ある人が、若いうちにあの世にいくことです。
また急逝(きゅうせい)には、前ぶれもなく突然亡くなるという訳があります。
まとめ
「無念の死」にまつわる意味と使い方をおさらいしました。
「無念の死」とは、やり残した仕事や家族を残したまま、突然あの世に旅立ってしまうこと。
「悔しかっただろう」と残された人が残念に思う様子をふくんでいます。
同じような言葉には「志半ばで亡くなる」などの語句もあります。