この記事では、「無辺際」の意味を分かりやすく説明していきます。
知らない言葉を、正しく理解していきましょう。
「無辺際」とは?意味
無辺際(むへんざい)とは、果てしないこと。
どこまでも続く宇宙のように、広がりがあるものを指します。
ワイドに広がっているもの、どこまでも限りのないものが「無辺際」です。
「無辺際」という言葉には「無辺」と「際」という2つの用語がドッキングしています。
無辺とは、想像を超えるくらい、きりがないものを表現します。
そして「際」には「ほど」という程度をあらわす用語です。
そのため広くて大きいもの、伸びやかで限りのないものを「無辺際」と呼んでいます。
とても優雅で、ダイナミックな表現になります。
「無辺際」の概要
「無辺際」というフレーズは、明治時代の文豪・菊池寛さんの小説に出てくる言葉です。
『俊寛』という短編小説の中には「無辺際に広がっている海を~見直さずにはいられなかった」という文章があります。
将軍を倒そうとして失敗。
あえなく島流しの刑になった、主人公の切なさを示したものになります。
虚しさや苦しみなど、人生における悩みは大小様々あります。
ただ大きな自然を目の前にすると、美しく洗い流されることもあります。
「無辺際」は限りなく広がっている海や空に使われる言葉ですが、同時に「人生もどこまでも広がっていくこと」を述べた、ささやかな希望も残した言葉です。
「無辺際」の言葉の使い方や使われ方
「無辺際」はこのように使っています。
・『無辺際の才能をうかがわせる、秀逸なデザイン画だった』 ・『リフレッシュしに、無辺際に広がる日本海を眺めに行った』 ・『子どもたちの前には、無辺際の夢が広がっている』 「無辺際」は限りなく、広がっているものに使います。
そのためある人の才能や、海や山などの大自然に対して使います。
限界のないもの、区切りがないもの、終わりがないものが「無辺際」です。
「無辺際」の類語や言いかえ
「無辺際」の類語には、次のような言葉もあります。
・野放図
・無尽蔵
・縹渺たる
・永永無窮
野放図(のほうず)とは無辺際と同じように、限りなく広がっているという訳です。
ただ野放図には「無頓着で鈍感な人」という意味もあるので、人物につかう場合は注意しておきましょう。
無尽蔵(むじんぞう)も尽きることがないという、意味があります。
また小説によく登場するのが、縹渺たる(ひょうびょうたる)という言い回しです。
エンドレスで終わりの見えない事柄に使います。
また永永無窮(えいえいむきゅう)で、永遠に朽ち果てることのないもの。
永遠に続いていくことです。
まとめ
「無辺際」の意味と使い方をおさらいしました。
「無辺際」とは、どこまでいっても終わりがないこと。
広々としている状態に使います。
果てしなく広がっていて、心が洗われるような風景にも用いられます。
ゆたかな言葉を知って、深い教養を身に付けていきましょう。