「無造作」
「無造作」は「むぞうさ」と読みます。
「むぞうさく」と読まない様に注意しましょう。
普段から耳にすることが多いのですが、いざ書こうとすると意外に難しい言葉です。
「無造作」の意味
「無造作」の意味や由来について紹介します。
「無造作」の意味
「無造作」の意味は2つあります。
1つ目は「たやすいことや慎重に考えないこと」で、「無造作に引き受ける」という時に使います。
2つ目は「手間をかけたり技巧を凝らしたりしないこと」で、「無造作な作り方」という時に使います。
どちらもシンプルで手軽な意味が含まれていて、性格的なものというよりも、その時に目に見える状況や言動を表す言葉です。
「無造作」の由来
「無造作」は「無+造作」に分けられます。
「無」は文字通り「何もないこと」で、「造作」は「手のかかること」「面倒なこと」という意味です。
簡単で手間がかからないことを「造作ない」と言うのはこの意味です。
「無造作」と組み合わせることで、「手間がかからない」「面倒ではない」という意味になり、そこから現在の意味に使われる様になりました。
「無雑作」との違い
人によっては「無雑作」と書いて「むぞうさ」と表現することもあります。
「無造作」と「無雑作」は同じ意味で、違う漢字を使っているだけです。
但し、本来の意味から考えると「造作無し」ということから「無造作」が正式であるとの見方が強くなります。
辞書でも「無造作・無雑作」或いは「無造作(無雑作)」等と、「無造作」の方が必ず先に記載されています。
「無造作」の言葉の使い方
「無造作」の使い方には以下の様なポイントがあります。
自分以外に使う
「無造作」は、「気軽に」「手間をかけず」という意味がありますが、これは他人から見て判断することです。
常にものごとを手軽に済ませたいと思っている人でも、自分が「無造作」であるという意識を持っていることは少ないものです。
基本的に「無造作」はその人の動作や状況を見て他人が判断するもので、小説の中でもない限り「私は無造作に受け取った」などとは使いません。
この場合は「何気なく」や「無意識に」と表現します。
褒め言葉ではない
「無造作」はシンプルで気軽なイメージがありますが、「技巧をこらさない=手を抜いている、あまり考えていない」というイメージがあり、褒め言葉ではありません。
「無造作でいいですね」という使い方は、芸術作品を褒める時など特別なシチュエーションでは有効ですが、人の見た目に対して使わない様にしましょう。
「無造作」を使った例文・短文(解釈)
「無造作」を使った例文と解釈を紹介します。
「無造作」の例文1
「彼はタバコを取り出すと無造作に火を付けた」
タバコを吸っている人は、動作が非常にスムーズで、あっという間に取り出してあっという間に火を付けてしまうものです。
あまりにも手馴れていて無意識に行っている様子を表しています。
「無造作」の例文2
「彼女は卵が入ったバッグを無造作に持ち上げた」
卵は割れやすいので大切に扱う必要があります。
バッグを持つ時には手を添えたりゆっくりと取っ手を持つなどした方が良いでしょう。
この場合は卵が入っていると知りながらもかなり雑にバッグを持ち上げた様子を表しています。
「無造作」の例文3
「彼はポケットから小銭を無造作に取り出した」
男性の中にはお金を財布にはいれずに直接ポケットに入れる人もいます。
コンビニなどで必要な時にポケットをジャラジャラと探り、適当に掴んで取り出して数えている様子を表しています。
「無造作」の例文4
「彼は髪の毛を手で無造作に整えた」
男性はヘアスタイルにあまり関心を持たないものです。
これから出掛けるという時にも、鏡を見ながら髪を手で撫でつけて出かける人も多いのです。
「無造作」を「技巧をこらさない」という意味で使っている例です。