この記事では、「生涯」と「生い立ち」の違いを分かりやすく説明していきます。
「生涯」とは?
「生涯」は(しょうがい)と読みます。
意味は大きく分けると3つあります。
まずは生きている期間、つまり一生という意味になります。
「彼の生涯は波乱万丈だった」「この恩は生涯忘れません」もしくは「生涯学習」などがその例です。
もうひとつは、一生の中である特定の期間を示す時に使います。
「医師としての生涯を全うする」などは、医師として活動していた期間を意味します。
他には「命」を表す時にも、この「生涯」を使います。
「僕の生涯にかけて君を守ります」というセリフは、「僕の命にかけて君を守ります」と言い換えられます。
英語で「生涯」は「life」や「lifelong」となり、「生涯学習」なら「lifelong study」と訳します。
「生い立ち」とは?
「生い立ち」は(おいたち)と読みます。
生まれて大人になるまでの期間の過ごし方などを表現する時に使われる言葉です。
つまりそれまであった個人の歴史だと考えてください。
「私の生い立ちをお話しします」や「不幸な生い立ち」など、これまでのプライベートな出来事を述べる時には、この「生い立ち」という言葉がよく当てはまります。
しかし仕事や学校など公の場で自分の歴史を話す時には、「経歴」「キャリア」「学歴」という言葉が使われます。
また「生い立ち」は、身分や身許という意味合いも含んでいる言葉です。
「生い立ちが良くない」には、「身分が低い」「身分がよくない」との意味が込められている場合もあります。
さて「生い立ち」とよく似た意味を持つ言葉に「育ち」があります。
「生い立ちが良い」「複雑な生い立ち」は、「育ちが良い」「複雑な育ち」と言い換えることもできます。
英語にすると「生い立ち」は「personal history」や「background」になります。
「生涯」と「生い立ち」の違い
「生涯」と「生い立ち」の違いを、分かりやすく解説します。
「生涯」も「生い立ち」はどちらも人や動物の生きている期間を表現する時に使う言葉です。
似たような意味を持っていますが、「波乱万丈の生涯」と「波乱万丈の生い立ち」では、少々意味に違いが出てきます。
「波乱万丈の生涯」は生きている間はずっと波乱万丈だったのに対して、「波乱万丈の生い立ち」の方は、成長するまで波乱万丈だったことを表しています。
つまり大人になって独り立ちしてからは、波乱万丈ではなかったという意味合いが読み取れます。
まとめ
「生涯」も「生い立ち」もよく使われる言葉です。
似たような意味がありますが、「生涯」に対して「生い立ち」は生まれてから成長するまでの過程、つまり大人になるまでの期間と限られた期間を示す時に使います。
死ぬまでずっと幸せだったなら「幸せな生涯を送った」になり、大人になるまでは幸せだったなら「幸せな生い立ちだった」となります。
このような細かな違いを理解して、きちんとこの二つの言葉を使い分けるようにしましょう。