人生、どんなに気を付けていても生きている以上は人に迷惑を掛けてしまったり失敗してしまったりすることはあります。
そんな時にどの様な行動や対応を取れるかによってその後の結果が変わる場合もあります。
そんな失敗などをしてしまった時に取る行動としてまず『謝罪』があります。
さまざまな形で自らの失敗を認める表現が日本語にはありますが、そんな中でもよく聞かれる代表的なのが『申し訳ない』と『面目ない』という言葉です。
しかしながらこれらはある場合では適切でないと指摘をされたことがありませんでしょうか。
どちらがどのような時に使われるのでしょうか。
今回は自らの失敗や過失を認める表現について見ていきましょう。
この記事では「申し訳ない」と「面目ない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「申し訳ない」とは
これは『言い訳や弁解の余地もない』という自らの謝罪を認める表現です。
『ごめんなさい』の丁寧な表現でもあり、よく企業や著名人の謝罪会見などで『本当に申し訳ございませんでした。』というコメントと共に頭を深く下げるシーンを見たことがある方は多いのではないでしょうか。
目上や社会的地位の高い人が年下や部下、後輩などに『申し訳ない』と謝罪する場合もありますが、このままでは丁寧なとしては足りません。
実際には『~ございません。』をつけて完全な丁寧語になります。
謝罪以外にも恐縮の意を表現するときにもこの言葉を使う時もあります。
例えば、暑い日に友人の家などに招待され、特にお願いをしていないにも関わらずそっと冷たいお茶が出てきた場合など『申し訳ありません。』と恐縮してこの言葉を出すときもあります。
この場合は感謝の意を謝罪の言葉を使って表現していますが、欧米ではなかなか存在しない日本独特の言い回しでもあります。
「面目ない」とは
一方こちらは『顔見世ができないほど恥ずかしい』ということを表現する言葉です。
どちらかというと『状態』を表現する言葉であるのがポイントです。
例えば、業務上で再三注意をしていたにも関わらず失敗をしてしまい上司などに叱責を受ける時に『面目御座いません』と丁寧な言葉に変えて表現するということがあります。
しかしこの言葉自体には『謝罪』の意味はありません。
言葉を分解してみましょう。
『面目』、つまり、『世間やたの人から見た立場』というものが『ない』ことにしかならないことがお分かりいただけると思います。
あくまでも『恥ずかしい』という状態のみにポイントがある表現ですので、正式な場面やビジネスシーンでは適切な表現ではありません。
「申し訳ない」と「面目ない」の違い
この二つは『謝罪の言葉』なのか『恥ずかしいという状態を表す言葉』なのかではっきりと分けることが出来ます。
最近では『面目ない』を謝罪の言葉として使う場合もありますが、これは誤用です。
たとえ丁寧語にしたとしても言葉自体に謝罪の意味は全くありませんので、注意が必要な表現なのです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
『面目ない』を『申し訳ない』と同義語として使っていらっしゃる方は意外にも多かったのではないでしょうか。
謝罪をするときには相手も感情的に興奮している場合が多いです。
普段ならば笑って見過ごせる表現でも使い方を間違えると火に油を注ぐ結果になることもありますので、注意をして使える様に日ごろから注意しましょう。